2007 Fiscal Year Annual Research Report
多様な環境下で長期間使用できるALS患者用操作スイッチの開発
Project/Area Number |
19500472
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
林 豊彦 Niigata University, 目然科学系, 教授 (40126446)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 康雄 新潟大学, 自然科学系, 助教 (00323957)
|
Keywords | 操作スイッチ / ALS / フォトセンサ / 運動機能障害 / 支援技術 |
Research Abstract |
1.眼窩上部運動検出器の開発 小型反射型フォトセンサ(4mm×2mm)をプラスチック製防塵メガネの上部に配列した検出部を試作した.センサは5個直線的に配置し,眼窩上部から瞼にかけて皮膚面の運動を検出する.センサの駆動・信号検出回路を自作し,動作を確認した. 2.測定システムの構築 システム全体は,1)検出部,2)駆動・信号検出回路部,3)データ収集・処理部(パーソナルコンピュータ)の3部からなる.データ収集用ソフトウェア,および信号検出ソフトウェアを開発し,操作スイッチシステムのプロトタイプを完成した.ソフトウェアが正常に動作することをテストプログラムで確認した. 3.信号検出の予備実験 健常者を用いて実験を行い,眼窩上部のさまざまな運動(眉の移動,瞬きなど)に関する検出データを収集した.さらに,生活中に生じる表情の変化,頭部運動やメガネフレームのずれによる信号変化も記録した.それらの基礎データを検討して,意図的な瞬き運動だけを検出する信号処理法を考案した.それを信号検出ソフトウェアとして具体化し,健常者にオンスクリーンキーボード走査システムを実際に駆動してもらう実験を行った.その結果,意図的な運動の検出率(正反応率)は100%,意図的でない出力は特殊な場合以外ほとんどなく,走査システムを正しく操作できた割合(正操作率)は,走査スピード0.8秒以上で87%以上であった.以上の結果から,試作した操作スイッチは,ALS患者など重度な運動機能障がい者のコンピュータ操作に,十分利用できる性能をもつものと考えられる.
|