2008 Fiscal Year Annual Research Report
多様な環境下で長期間使用できるALS患者用操作スイッチの開発
Project/Area Number |
19500472
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
林 豊彦 Niigata University, 自然科学系, 教授 (40126446)
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Keywords | 操作スイッチ / ALS / 反射型フォトセンサ / 運動機能障害 / 支援技術 |
Research Abstract |
本年度は,まばたきを安定かつ確実に検出できるように,検出法を改良した。動作検出では,意識的なまばたきによる信号波形とそれ以外の運動による波形,例えば生理的まばたき,表情筋活動による運動,頭部運動,固定用メガネのずれなどによる信号波形を区別しなければならない。そのために次の信号処理を導入した:1)平滑化微分処理(変動成分の検出と高周波ノイズの除去),2)振幅閾値V_tによる動作検出,3)時間閾値t_<min>による生理的まばたき等の短時間の運動成分の除去(信号レベルV(t)がV_tを越えてからV_t以下になるまでの時間t_1がt_<min>≦t_lを満たすこと)4)時間閾値t_<max>による長時間の運動成分の除去(信号レベルV(t)がV_tを越えてから-V_t以下になるまでの時間t_2がt_2<t_<max>を満たすこと)。 提案した検出法の有効性を確認するために,コンピュータの操作実験を行った。被験者は健常者5名(平均22.8±1.10歳),測定姿勢は仰臥位,インタフェエース・ソフトウェアはオペレートナビ^R(NEC),そのスキャンレートは1.0[s]とした。タスク課題は,1試行「ひらがな4文字+ENTER」の計5文字分の入力とし,これを連続して10試行行った(1セクション)。このセクションを日を変えて3回行った。スイッチが意図した通りに動作した割合である“正反応率"は全被験者で平均91.6±0.92[%],スイッチが意図しない出力を発生させた割合である“誤動作率"は平均1.2±0.83[%],正しく文字を入力できた割合である“操作率"が平均97.9±1.65[%]であった。 正反応率が平均91.6[%]と高く,かつ誤動作が平均1.2[%]と低かったことから,提案した検出法は,意識的なまばたきを安定かつ確実に検出できることが明らかとなった。さらに操作率が平均97.9[%]と高かったことから,本操作スイッチとオペレートナビ^Rを用いれば,意識的なまばたきを用いて正確に文字入力できることが実証された。
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