2008 Fiscal Year Annual Research Report
人工筋肉を用いた、麻痺手を動かすシステムに関する研究
Project/Area Number |
19500477
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
千田 益生 Okayama University, 医学部・歯学部附属病院, 准教授 (60226694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
則次 俊郎 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70043726)
堅山 佳美 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (90397886)
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Keywords | 人工筋肉 / 把持装置 / 圧センサー / 対立装具 / グローブ型装具 |
Research Abstract |
人工筋肉を用いた、母指、示指、中指の3本の指で把持する装置を作成し、麻痺した手を動かせることを目的に研究を行った。まず、3指の先端にどのぐらいの圧力が作用できると、日常生活動作を行えるかを調査した。測定には、圧センサーを動作時に指先に装着して用いた。測定した動作は、スプーンを用いての食事動作、フォークでウインナーを刺して口に運ぶ、湯呑に水を入れ口に運ぶ、鉛筆で字を書く、キーボードをたたくなどの動作であった。結果として、各指に必要な圧力は、スプーンで掬う(2.9N)、フォークで刺して口に運ぶ(18.ON)、コップを把持して呑む(17.4N)、字を書く(28.9N)、キーボード操作(33.3N)であった。伸長型彎曲空気人工筋1本による出力は140mm長で500kPaで20Nであり、3本用いることで日常生活動作の遂行が可能であることがわかった。手の把持動作の場合、母指と、示指・中指は対立位になることが必要である。そのため、対立装具に人工筋肉を装着した装具を開発した。脊髄損傷患者あるいは片麻痺患者に装着し、把持動作を実際に行った。実際に麻痺のある患者に装着するには、まず変形した指それぞれを装置に沿わせることが必要である。実際に装着するのに苦心した。また、3本の対立位にある指による把持装置のみならず、グローブ型の訓練装置も開発した。岡山大学の人工筋肉を用いた麻痺手を動かせる装置の特徴としては、1本1本の指が独立して動くことが可能であるところであり、その特徴を生かすべく、グローブ式の装置も作成した。グー、チョキ、パーなどの動作や究極的にはピアノが弾けることを目指す。現在グローブの素材、装着方法、出力の増大、コンプレッサーの縮小化など問題点は数多くあるが、解決すべく取り組んでいる。患者の訓練用として、患者自身が操作して麻痺手の訓練を行えるようになることが目標である。
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