2008 Fiscal Year Annual Research Report
白内障患者に対する透明遮光眼鏡の視機能改善効果の解明
Project/Area Number |
19500485
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
坂本 保夫 Kanazawa Medical University, 付置研究所, 非常勤講師 (60410304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 洋 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60260840)
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Keywords | 遮光眼鏡 / 白内障 / 視機能 / 加齢 / コントラスト感度 / 瞳孔径 / QOV / QOL |
Research Abstract |
医療用遮光眼鏡は白内障患者の眩しさ対策の手段としても用いられるが、赤や黄色の高濃度レンズのため広くは普及していない。申請者らは使用環境・状況に左右され難い透明な遮光眼鏡の開発を目指して、狭帯域吸収フィルターレンズの研究を行っている。本年度は加齢に伴う視機能低下原因の最上位にある白内障患者と健常者を対象として、可視光線の吸収程度と視機能の関係を検討した。 その結果、屈折矯正用眼鏡レンズの夜間運転適合基準(視感透過率75%以上)を満たした条件下で、若年健常者には全波長均等吸収(ニュートラルグレーレンズ)、中高齢層には3波長同時狭帯域吸収が有効であった。狭帯域吸収レンズは夜間運転時の視機能が特に低下する白内障患者に対しても有効であり、薄暮視の視機能を患者自身の明所視レベルにまで回復させた。ただし本検討では特定波長の狭帯域吸収のみでは、強い日差し下での防眩効果は十分とはいえないことも明らかとなった。 結論として、見え方の質は年齢、視環境に影響され、「高濃度レンズ」は強い日差しから眩しさを和らげるアイテムとして有用であるが、必要以上に濃度の高いレンズは、瞳の拡大または網膜照度の低下を招き,視機能を低下させる原因となることが判明した。できる限り低濃度のレンズを用いることにより使用環境の制限は少なくなり、安全性も高まる。狭帯域吸収を施した透明遮光眼鏡は、高齢化社会においてだれもが経験する視機能低下を簡易的に軽減する有用な手段になり得る。
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Research Products
(6 results)