2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500492
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小宮山 伴与志 Chiba University, 教育学部, 教授 (70215408)
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Keywords | 四肢協調運動 / 文脈依存性 / パターン発信器 / 随意運動 |
Research Abstract |
ヒトにおける歩行運動は左右およぴ上下肢によるパターン化され,かつ自立性を備えたリズム運動であり,そのリズムは脊髓に存在するパターン発信器(CPG)によって半自動制御的に形成されることが明らかにされている。しかしながら,ヒトは腕を組んで歩く等の多様な歩行形態を作り出すことも可能である。したがって,CPGと同様の神経機構はヒトにおいても機能していると考えられるが,現時点で不明な点が多く残されている。本研究は,ヒトにおけるCPGの機能を実験的に調べる手段の一つである上、下肢ペダリング運動を用い,その遂行状況や文脈に依存して上肢と下肢の協調関係にどのような変化が生じるのかを明らかにすることが目標である。平成19年度の研究では,健常成人を対象として,上、下肢による同時ペダリング運動をどちらか一方の視覚的なフィードバックを与えながら遂行させた。その結果,(1)上、下肢同時ペダリング運動中,下肢ペダリング運動の速度をフィードバックすることにより上肢ペダリング運動の速度定常性が有意に低下する,(2)しかし,下肢のペダリング速度の定常性は,下肢のペダリング速度のフィードバックに影響を受けないことが明らかになった。これらの結果は,下肢ペダリング運動は上肢ペダリング運度に比して自律性が強いことが明らかになった,これらの結果から,上肢と下肢ではペダリング運動のリズムを形成する神経機構が異なる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)