2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500492
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小宮山 伴与志 Chiba University, 教育学部, 教授 (70215408)
|
Keywords | 四肢協調運動 / 文脈依存性 / パターン発信器 / 随意運動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、脊髄に存在すると考えられるパターン発信器(CPG)による自動制御が強いと考えられる四肢の律動運動をモデルとして、上・下肢のペダリング運動時の上・下肢制御が運動文脈に応じてどの様に影響を受けるかについて解明することである。平成21年度の研究課題としては、下肢ペダリングが静止状態にある上肢筋群の皮膚反射におよぼす影響を調べることにより、上肢と下肢のCPG間の相互作用を明らかにしようとした。 被験者は健常な成人男性11名であった。被験者は、エルゴメータによる下肢ペダリングを60rpmで行うよう指示された。その間、手関節部で撓骨神経を低閾値電気刺激(感覚閾値の2から2.5倍の強度、1ms矩形波、2発刺激)することにより、上肢筋群から皮膚反射を導出した。筋電図は前腕屈筋群、三角筋、上腕屈筋より表面双極誘導法により導出した。 下肢ペダリング運動は上肢皮膚反射の短潜時成分へ筋特異的に影響を及ぼし、前腕屈筋群と三角筋の促通成分、ならびに上腕屈筋の抑制成分を増大させた。そして、その効果は上肢筋の背景筋電図量と回転数に依存した。しかし、上肢皮膚反射の変化は下肢ペダリング運動のサイクル相に依存しなかった。また、下肢の等尺性筋収縮だけでは上述の皮膚反射の変化は観察されなかった。これらの結果は下肢CPGの活動は、CPGから強い影響を受ける上肢皮膚反射を構成する神経回路に影響を及ぼすこと、ならびにその効果は反射のオフセットを上昇させる効果である可能性を示唆する。
|
Research Products
(10 results)