2008 Fiscal Year Annual Research Report
幼児および小学生児童における身体活動量と筋の量的および機能的発達との関係
Project/Area Number |
19500493
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金久 博昭 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50161188)
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Keywords | 発育期 / 身体活動量 / 身体組成 / 筋力 / 運動能力 / 性差 / 横断的研究 / 縦断的研究 |
Research Abstract |
本研究は、幼児および小学生児童における身体活動量と筋の形状および機能との関係について明らかにすることを目的としている。平成20年度は、幼児の身体組成・運動能力に関する横断的および縦断的研究、並びに小学生を対象にした筋量・筋機能に関する縦断的な研究を実施した。横断的研究では、月齢54〜76ヶ月の男児100名および女児114名を対象に、簡易加速時計による計測値から活動量指標(総エネルギー消費量一基礎代謝量)および活動水準指標{活動量指標/(基礎代謝基準値×体重)}を算出し、それらと、形態、身体7部位の筋厚と皮脂厚、運動能力(立幅跳び、10m走、テニスボール投げ)の各測定結果との関係について検討した。その結果、男女児とも、活動量指標と活動水準指標はBMIと有意な負の相関関係を示し、両指標の高い園児は皮下脂肪が薄い傾向が認められた。また、女児では、活動量指標および活動水準指標ともに、立幅跳びのスコアと正の、10m走タイムと負の相関関係が認められた。これらの結果より、幼兜期における身体活動の量および水準は、BMIおよび皮下脂肪厚に影響を持ち、女児では運動能力に個人差をもたらす要因になることが示唆された。幼児を対象にした縦断的研究では、男児17名、女児23名を対象に歩行数、身体組成、運動能力における1年間の変化について検討した。その結果、幼児期における筋量の変化には性差が存在し、その増加は男児より女児の方が顕著であること、日常生活中の歩行数の変化と筋量並びに運動能力の変化との関連性は低いことが示唆された。さらに、少年野球を実施している小学生4・5年生男子を対象に縦断調査を実施した結果、四肢の筋量の増加に左右差は存在せず、筋力の増加は筋量のそれを上回る傾向が認められた。
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Research Products
(2 results)