2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500507
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
伊藤 豊彦 Shimane University, 教育学部, 教授 (20144686)
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Keywords | 体育学習 / 動機づけ / 学習環境 / 動機づけ構造 / 動機づけ雰囲気 |
Research Abstract |
体育授業における動機づけ方略の検討に関する平成20年度の主な研究業績は、以下の通りである。 まず、学習意欲や動機づけに関する文献を中心検討した結果、体育授業における有効な動機づけ方略を検討する場合、これまでの児童・生徒の個人要因にのみ焦点を当てることは有効ではなく、むしろ、動機づけ構造や動機づけ雰囲気といった社会文脈的要因に注目することが有効であることを明らかにした。したがって、今後、体育やスポーツ場面に特有な構造や雰囲気を検討する必要性を指摘した。なお、以上の研究成果は「学校体育における学習環境と動機づけ」のテーマで取りまとめ学術誌に投稿した(現在、査読中)。 また、実践的な研究としては、学校体育の重要な目的の1つである道徳性の発達を取り上げ、運動部の動機づけ雰囲気が反スポーツマンシップ的行動としての攻撃行動への影響を検討した。その結果、運動部の動機づけ雰囲気と攻撃行動との関連が認められたことから、道徳性を高める動機づけに対して環境要因である集団の雰囲気からのアプローチが有効であることを示唆した。なお、以上の研究成果は、「サッカー選手の攻撃性に及ぼすチームの動機づけ雰囲気の影響」のテーマで取りまとめ学術誌に投稿した(現在、査読中)。 しかしながら、調査依頼校の事情により、体育授業における学習環境を診断・開発するための調査が実施できなかったことから、体育教師を対象とした動機づけにかかわるインタビュー結果を取り入れ修正した尺度に基づく調査の21年度の円滑な実施に向けての準備態勢を強めることとした。
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