2008 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の身体的自立を支援する「身体の使い方」についての自己学習材開発
Project/Area Number |
19500509
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
原田 奈名子 Saga University, 文化教育学部, 教授 (70181021)
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Keywords | 高齢者 / 身体の使い方 / ミスユース / 知識 / 意識 / 認識 |
Research Abstract |
60歳以上の高齢者の「身体の使い方」に関する知識・意識・認識について質問紙調査をした。学習前の実態。 【対象者】:男502人(68.3±7.5歳)、女595名(69.9±8.3歳)の計1,097人 【結果】知識・意識・認識の結果 1.股関節の位置については、「人体輪郭図上に胴体部と脚部の境界線を引く」から求めた際の正面図・側面図とも正解は1.9%だった。膝関節の膝上、膝下の境界線を求めた際の正解率は12.4%だった。両者とも正解したのは1.2%だった。 2.階段昇降時に「膝を前に進める」「脚を持ち上げて進む」を図示して、意識の持ち方を問うた際の「膝を前に進める」の選択者が29.7%だった。 3.椅子に座位した次の二つの図、Aは脚部と臀部がひとつながりで、ウエストから脚部と理解できる図、Bが臀部の途中に脚部が接すると理解できる図の選択を求めた際、解剖学的に正しい認識であるBの選択者は66.2%だった. これらの項目間において、異性間の有意差はみられなかった。 これらから、知識の正解率と認識の間に大きなズレがあることがわかる。股関節位置の知識が正しくなくても椅子座位姿勢では脚部と胴体部の関係を理解していることになる。このことから、いかにして、知識や認識を紙上で問うか、その方法の検討が課題となった。 そこで、あらかじめ正解を含む境界線を引いた入体図から選択する方法で問うことにした。全ての集計が修了していないが、この方法に変えても正解率は特に上がらないようである。認識図は同一を使用した。これらから行為のときの脚と胴の関係の認識を問う方法が改めて課題であることがわかった。
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Research Products
(1 results)