2007 Fiscal Year Annual Research Report
地域における総合的「身体教育」のための「体験」と「教育的空間」の検討
Project/Area Number |
19500512
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
久保 正秋 Tokai University, 体育学部, 教授 (30119672)
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Keywords | 身体教育 / 体験 / 教育的空間 / ツーリズム |
Research Abstract |
今年度は研究計画に従って、課題1、総合的「身体教育」における「体験」の検討、課題2、「教育的空間」としての構成要素の検討を行った。課題1に関しては(1)学校教育における「体験活動」を対象として、その基本的な考え方と問題点を明らかにした。また(2)レジャー・ツーリズムにおける「体験活動」として「自然体験ツーリズム」および「修学旅行」を取り上げ、その現状と歴史、およぴこれらのツーリズムにおける教育的意義を検討した。さらに、これらの「体験」を「身体の意味ある体験」として捉えなおし、教育学、環境哲学、ツーリズムにおける知見を基に、その理論的基盤を構築することを試みた。そこでは「体験」は、「わたし=身体」としての人間が、共に同じ「空間(世界)」に配置された事物や人びととの関係性を再確認することとして再考された。このように「体験」を捉えなおすことによって、それによる「感性」の教育、あるいは環境教育が可能となることが示唆された。これらの成果は「人間形成における身体の意味ある体験」として纏め、体育哲学研究に投稿の準備を進めている。課題2に関してはまず、文献研究を行い「教育的空間」という概念の明確化を計った。同時に静岡県の伊豆地方をフィールドとして「空間」の構成要素に関する予備調査を実施した。特に熱海市が行っている「熱海コースタルリゾート計画」に注目し、これらの行政における事業がどのように「空間」の意味を構成するか、あるいは変貌させるかを検討した。本研究は次の段階として、課題1で検討された「体験(身体の意味ある体験)」が生起する「場」を「教育的空間」として措定し、それを構成する条件を検討することを試みるものであり、今回の課題2における「空間」に関する検討はその基礎的段階として位置づけられた。
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