2009 Fiscal Year Annual Research Report
障害者陸上投てき選手用調節式スローイングチェアの開発ならびにその普及に関する研究
Project/Area Number |
19500544
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
奥田 邦晴 Osaka Prefecture University, 総合リハビリテーション学部, 教授 (20269856)
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Keywords | 障がい者スポーツ / 陸上競技 / 投てき競技 / 三次元動作解析 / バイオメカニクス / 生活支援 / 脊髄損傷 / 脳性麻痺 |
Research Abstract |
本研究は、重度障がい者が参加できうる数少ないスポーツ種目の一つである陸上投てき競技に焦点を当て、個々の障がい者選手の身体状況に適応したスローイングチェアを容易に模擬作成することができる調節式スローイングチェアの開発をすすめ、普及することを目的としている。このことにより、障害の種類や程度に関係なく、誰もが気軽に投てき競技を体験でき、結果、スポーツ活動への参加を促し、これが契機となり、社会参加促進、ひいては自立生活支援の一助となることを目指している。 今年度も、昨年度に引き続き、実際に障がい者投てき選手に試用し、より重度の障がい者選手の多様な障害像に適合可能になるよう、設計を見直し抜本的な改良を加えると共に、オプションパーツ等を中心にスローイングチェアII型の開発研究を進めた。障がい者陸上選手権大会等でも、本機がフィールド会場に複数並ぶとともに、各選手において良好な成績を上げている。ただ、国内の陸上競技場のサークルの周囲はゴム製の床面になっているため、杭等を打ち込み固定することができない。介助者による人的な固定では、投てき時にスローイングチェアがどうしても動いてしまい、競技成績に悪影響を及ぼしていた。そこで、今年度は、サークル上に設置する木製の投擲固定台を開発した。本機は、9月に開催されたアジアパラユースでも使用され、良い結果を残した。今後、各陸上大会で使用される予定である。スローイングチェアを東京都障害者総合スポーツセンターに1台を設置し、脊髄損傷等の選手が実際の投球を行いながら、コーチとともに自身で具体的な調節をすすめ試用している他、神奈川、兵庫の選手が試用している。さらに、鹿児島、京都府在住の選手より、試用依頼を受けており積極的に対応するとともに、全国各地で試用し、各々の選手の投てき動作について解析を行い、普及ならびに強化に努めていく予定であり、結果を論文化する。
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