2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500557
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
澤田 秀夫 Japan Aerospace Exploration Agency, 研究開発本部流体グループ, 主幹研究員 (30344245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮嵜 武 電気通信大学, 電気通信学部・知能機械工学科, 教授 (50142097)
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Keywords | 流体力学 / 抗力 / 後流 / 風洞試験 / 磁力支持 / 天秤 / 矢 / スポーツ |
Research Abstract |
矢が軸周りに回転する効果とその影響を評価する手法を取得したことにより、矢の空力特性を評価するために製作すべき模型は大幅に簡単なものとなり、クロスボウの実射と同じレイノルズ数で矢の空力特性評価試験を実施し、フィールド試験と併せてその特性評価を実施した。矢が主に水平面内の一次モードで弾性振動をするという観測結果から、この効果を評価する試験技術の獲得を試みた。、この試験には既存の研究グループ構成員だけでは知識と経験が不足しているため、東京大学大学院工学研究科の複合構造の専門家と共同研究を並行実施し、所謂、箆の平面内1次モード弾性振動をJAXA60cm磁力支持天秤装置で再現できる柔軟構造の箆を製作してもらった。この柔軟箆をJAXA60cm磁力支持天秤装置内で磁力支持しながら、固有振動数に近い17.8Hzで定常振動をさせる制御技術を獲得し、振動が有る場合と無い場合の流体抵抗の増減、境界層遷移発現風速の変化などを測定することができた。基本的に、矢尻が椎型の場合は境界層遷移が発現する風速は小さくなるが、抵抗係数は乱流へ遷移した場合の値いを取り、この振動が抵抗係数に大きな影響を及ぼすことはないとの結論を得た。この結論から、矢尻が通常用いる平題型の場合は先端部から境界層が乱流になっていることが平成19年度の試験結果から分かっているので、椎型の場合と同様に箆の抵抗係数にこの振動が大きな影響は及ぼさないと推論される。一方、矢尻が流線型では、抵抗係数は箆の先端から乱流へ遷移した場合の値よりも小さく、層流境界層の場合よりは大きな値を示した。この結果から、振動状態で箆表面の境界層がどのようになっているか更に詳細な測定が必要であることが分った。野外測定実験では良好な試験再現性を得るために射出装置で数々の改良を重ね精度の高い矢の飛翔実験が可能となり、更に、装置の配置や較正法等の測定方法の改良、データ解析手法の改良を行い、JAXA磁力支持風洞試験結果と比較可能な精度での野外実験結果を得ることができ、矢の先端形状の違いによって境界層遷移が矢の飛翔中に起こり、飛翔特性を評価する上で重要な要素であることが分かった。
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Research Products
(4 results)