2007 Fiscal Year Annual Research Report
離断性骨軟骨炎の病態:罹患関節による相違と病変の組織学的機序解明
Project/Area Number |
19500558
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
楠美 智巳 Hirosaki University, 大学院・医学研究科, 講師 (90322932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 恭之 弘前大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (80292142)
津田 英一 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (00361014)
楠美 昭則 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (90332494)
佐藤 冬樹 弘前大学, 大学院・医学研究科, 助教 (60400131)
鬼島 宏 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90204859)
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Keywords | 関節疾患 / スポーツ医学 / 組織学 / 離断性骨軟骨炎 |
Research Abstract |
本研究では患者から手術時に採取された離断性骨軟骨炎病変部の骨軟骨標本を用い組織学的解析を行う。当施設で行われてきた手術症例をレトロスペクティブに手術ファイル、病理診断ファイルをもとに収集した。平成19年3月現在、64例があり、罹患関節別では、肘が33例、膝が22例、足関節が9例であった。各症例の診療録、X線写真、MRI画像、関節鏡写真を検討し、発生部位、病期分類などの臨床情報、画像所見を記録・分類している。発症機転については有意な違いではないが一定の傾向があり、肘はスポーツ活動、膝はスポーツ活動と原因不明、足関節は捻挫の既往があることが多い。一方、骨軟骨円柱標本では、各症例それぞれについて、ヘマトキシリン・エオジン染色像から検討する。肘については既に組織学的変化を報告しているが(Kusumi T, et al. Osteochondritis dissecans of the elbow:histopathologic assessment of the articular cartilage and subchondral bone with special emphasis on their damage and repair. Pathol Int. 2006;56:604-12)、他の関節についても同様に、関節軟骨と軟骨下骨の変性・損傷・修復の所見、軟骨・骨組織間の離開様式について記録・分類する。膝では軟骨下骨の壊死を示唆する症例があり、外傷stressのみではない機序が示唆される。今後、組織像をコンピュータで画像解析を行い、数値化・定量化を試みる予定である。また、免疫組織化学法を行い、骨・軟骨の形成・修復に関与する因子、アポトーシス、虚血に関与する一酸化窒素合成酵素(NOS)、軟骨分解に関与するマトリクスメタロプロテアーゼ、骨のリモデリングに関してのRANKL、オステオプロテジェリンなどの発現・分布・変化を検討する
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