2007 Fiscal Year Annual Research Report
運動器固有の機械的ストレス感知機構:筋・骨萎縮遺伝子の発現調節の分子システムから
Project/Area Number |
19500564
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
二川 健 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20263824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 夏生 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00157984)
中屋 豊 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50136222)
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Keywords | ユビキチンリガーゼ / 機械的ストレスの感知 / IGF-1シグナル / 運動器(筋・骨) |
Research Abstract |
骨格筋や骨などの運動器は、運動器の活動状態(機械的ストレス)の影響を最も受けやすい器官であり、身体活動の程度によりそれらの量を変化しうる。例えば、宇宙フライトや寝たきりにより筋量と骨量が著明に減少する一方、運動トレーニングによりそれらの量を増大できる。近年、筋量を制御する遺伝子としてAtrogin-1、MuRF-1が同定された。申請者らも、長年JAXA(宇宙航空研究開発機構)と共同で、宇宙フライトや寝たきりによる筋・骨萎縮共通の原因酵素の一つとしてCb1-bユビキチンリガーゼ(ユビキチン依存性蛋白質分解経路の律速酵素)を発見した。このCb1-bはIGF-1(インスリン様増殖因子)の重要な細胞内シグナル分子IRS-1の分解を元進し、筋蛋白質の合成や骨形成を低下させる。興味深いことに、Cb1-bの筋・骨芽細胞での発現は寝たきりや宇宙フライトで著明に増大し、逆に運動トレーニングで減少することを発見した。つまり、Cb1-bの発現が運動器の活動状態(機械的ストレス)と相関する非常に良い指標になることがわかった。この新しい知見は、Cb1-bの発現調節機序を解明できれば機械的ストレスに対する運動器の感知機構が明らかになることを強く示唆した。そこで、本年度、Cb1-b遺伝子のプロモーター解析を行った結果、Egr-1とSp1の転写因子がCb1-bの発現をそれぞれ正と負に制御していることがわかった。さらに、これら転写因子が運動器の活動状態(機械的ストレス)の感知機構において重要な役割を果たしていることが明らかになってきた。
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Research Products
(14 results)