2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋糖取り込み機序における酸化ストレス及び筋収縮刺激の相互作用的解明
Project/Area Number |
19500565
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
桧垣 靖樹 Saga University, 医学部, 准教授 (10228702)
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Keywords | 糖輸送 / 酸化ストレス / スーパーオキサイド |
Research Abstract |
本研究の目的は、骨格筋糖取り込みについて、インスリン刺激と酸化ストレス刺激の相互作用を明らかにするとともに相互作用を担う分子を探索することである。本年度はまず、実験1としてインスリン刺激と酸化ストレス刺激の相互作用を検討するために、SD系雄ラットのEDL筋を素早く摘出し、糸で両側を固定し改良した筋固定器具へ装着し、インスリン単独刺激、酸化ストレス刺激としてキサンチンオキシダーゼ単独、及びそれら両者を添加し骨格筋の糖取り込み速度を検討した。その結果、それぞれ単独刺激に比べ両者の刺激による相加的な効果が認められた。このような相加的な効果は、過酸化水素刺激+インスリン、過酸化水素刺激+AICARと同様な結果(平成18年度の研究成果)であり、キサンチンオキシダーゼ刺激+AICAR刺激の場合も確認できた。さらに、実験2としてキサンチンオキシダーゼ刺激がどのような分子を介して糖輸送の亢進を引き起こすか、その候補分子としてスーパーオキサイドを想定した実験を行った。キサンチンオキシダーゼ刺激でスーパーオキサイドが発生し、細胞内へのシグナルを伝達すると仮定すると、スーパーオキサイドの除去剤であるSODの存在下では、糖輸送の亢進が認められないと予想される。そこで、キサンチンオキシダーゼ刺激+SOD添加による糖輸送速度を測定した。その結果、SOD添加による糖輸送速度への影響は認められず、スーパーオキサイドは糖輸送亢進に関与するシグナル伝達分子である可能性は低いものと考えられた。
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