2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋糖取り込み機序における酸化ストレス及び筋収縮刺激の相互作用の解明
Project/Area Number |
19500565
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
檜垣 靖樹 Fukuoka University, スポーツ科学部, 准教授 (10228702)
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Keywords | 糖輸送 / 酸化ストレス / スーパーオキシド |
Research Abstract |
本研究の目的は、骨格筋糖取り込みについて、酸化ストレス刺激、筋収縮刺激、一酸化窒素刺激の相互作用を明らかにするとともに相互作用を担う分子を探索することである。 本年度の当初計画では、骨格筋糖取り込み刺激因子の相互作用により惹起されるAktのリン酸化以降のシグナル伝達分子を明らかにするために、LKB1, AS160, mTORなどのリン酸化状態を分析し、Akt/TRB3結合の可能性を検討することであった。しかしながら、本実施研究者が研究機関の異動に伴い、前任校である佐賀大学医学部より実験装置の搬入や実験システムのセットアップをする必要があり、本年度は、特に新たに組み立てた福岡大学医学部RIセンターの実験装置が前年度までに得られた実験データとの再現性と妥当性が認められるか、について研究時間と経費を費やした。 本年度はまず、実験1として骨格筋の還流装置が機能するかどうか、また実験2として無刺激あるいはインスリン刺激に対する糖取り込み能が正確に評価できるか、検討した。C57BL/6マウスのEDL筋とSoleus筋を素早く摘出し、糸で両側を固定し改良した筋固定器具へ装着し、無刺激、インスリン単独刺激による骨格筋の糖取り込み速度を検討した。その結果、以前と同様な結果(平成18年度及び19年度の研究成果)が得られ、本実験システムの再現性が確認できた。そして、一部の予備実験を行った。 平成19年度国民健康栄養調査の結果によると糖尿病が強く疑われる者及び可能性を否定できない者(予備)を合わせて2210万人と推定されており、一次予防あるいは糖尿病の治療に対する効果的な運動プログラムを開発する上で、糖輸送における骨格筋分子メカニズムの解明は重要である。平成21年度以降は、平成20年度の異動に伴う実験計画の遅延を取り戻す計画を立てている。
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