2007 Fiscal Year Annual Research Report
運動トレーニングによる安静時代謝改善効果に関する研究
Project/Area Number |
19500567
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Research Institution | Sendai University |
Principal Investigator |
藤井 久雄 Sendai University, 体育学部, 教授 (90275587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹野 久美子 仙台大学, 体育学部, 講師 (30364392)
佐藤 真樹 仙台大学, 体育学部, 助教 (80405886)
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Keywords | 運動トレーニング / 安静時代謝 / ヒューマンカロリメーター |
Research Abstract |
【目的】1日の総エネルギー消費量(total energy expenditure:TEE)は安静時代謝量(resting metabolic rate:RMR)60-70%、活動に費やすエネルギー量(活動代謝量)15-30%、食事による産熱効果(thermic effect of food:TEF)10%の総和であらわされ、RMRはTEE中の最も大きな割合を占める。一方、持久性トレーニングには、体脂肪量を減らして除脂肪体重(lean body mass):LBMの割合を大きくすることにより身体組成を改善し、呼吸循環器系、運動の主組織である筋肉細胞内のエネルギー代謝能の充進させる効果などがある。RMRが1日のTEEの大半を占めることを考え合わせると、持久性トレーニングの影響は運動時のみならずRMRにもおよぶのではないかと推測される。そこで本研究では、長時間にわたりエネルギー消費量を連続測定が可能なヒューマンカロリメーターを用いて、安静の時間帯である夜間から朝にかけての代謝量が、持久性トレーニングを行うことによりどのような影響を受けるかを検討した。【方法】被験者は、運動習慣のない健常な男子大学生8名である。エルゴメーターを用い各被験者に応じた持久性トレーニングを1ヶ月間実施した。その後、RMRの測定はヒューマンカロリメーターを用い、19時に入室、翌朝7時30分に退室するまでの約12時間連続で、椅座位、睡眠時および早朝仰臥位における3条件の代謝量(酸素摂取量)を測定した。【結果および考察】トレーニング群の体重あたりの酸素摂取量は、対照群と比較して椅座位、睡眠時および早朝仰臥位における3条件ともに有意に高値であった。さらに除脂肪量あたりの酸素摂取量も対照群に比べトレーニング群で高い傾向を示した。これらの安静時代謝量を引き上げる要因としては、持久性トレーニングによる生体内における体脂肪量の減少やエネルギー代謝能の亢進が関与しているのではないかと考えられた。
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