2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500568
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
村山 光義 Keio University, 体育研究所, 准教授 (20245632)
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Keywords | 筋収縮力 / 生理学 / 筋硬度 |
Research Abstract |
一般に骨格筋は収縮時に短縮し,その「硬さ」を増す,筋内では収縮強度の高まりに比例して筋内圧が上昇することが知られており,こうした変化が生体表面に表出していると考えられる.本研究では筋の硬化,すなわち筋硬度の変化を捉えることで収縮力を推定する方法を検討してきた.本年度は,運動時に計測可能な筋硬度評価方法の基礎的検討として,小型圧力センサの巻きつけによる筋硬度の検出と従来型押し込み式筋硬度評価との比較検討を行なった.薄型圧力センサ(ニッタ(株):FlexiForeceA201)に小型突起を取り付けた小型筋硬度センサを皮膚表面に貼り付け,生体側の反力を計測するシステムを開発した.このシステムは生体表面に密着し,リアルタイムで筋内圧変化による硬度計側が可能という利点をもつ.この密着型センサを装着し,随意的な等尺性筋収縮力発揮時の筋内圧を計測するとともに、従来の押し込み型筋硬度計測も併用し,2装置間の関係をみた.その結果,2装置とも筋収縮強度の高まりとともに筋硬度が増加する比例関係が得られ,筋硬度から筋収縮力を推定可能であることを確認できた.さらに,密着式による筋硬度は発揮筋力レベルとr=0.856の高い直線関係が見られ,従来の押し込み式の筋硬度評価よりも高い直線性を示した.この点は,本研究で開発した密着式筋硬度センサの有効性を示すものと考えられた.すなわち,押し込み式計測では収縮力のプラトー時に合わせて計測を行うため,タイミングを合わせるためのタイムラグを含めた計測の不安定さがあるのに対し、密着式では,収縮開始以前からリアルタイムで筋硬度変化のモニタが可能であるため,収縮力との相関がより高まったと考える.従って,本研究の密着型筋硬度センサの利用で,運動動作中の発揮筋力を推定することが可能であると同時に,より安定した筋硬度評価を実現することができた.今後,スポーツ現場での実践的な活用について検討を加えることが課題といえる.
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Research Products
(1 results)