成長期における運動慣からの離脱過程およびその連要の解明

2007 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 19500577
• Research Institution: Saitama University
• Principal Investigator: 戸部 秀之 Saitama University, 教育学部, 教授 (70273745)
• Keywords: 成長期 / 運動習慣 / 行動疫学 / 関連要因

Research Abstract

子どもの体力低下や生活習慣病の低年齢化など,運動習慣に関わる重大な問題が存在し,子どもの運動習慣の形成を促進する効果的な介入法の開発が求められている。我々は,子どもの運動習慣形成に関連する社会的、心理的、行動的要因を明らかにするための研究を進めてきたが,特に,本研究課題では,運動習慣からの離脱に関わる要因を行動疫学的に探求することをめざしている。
我々のこれまでの研究によって,子どもが運動習慣から離脱するプロセスで,特に心理的要因が関与する可能性が示唆されているがさらに詳細に可能性のある要因を洗い出すために,本年度は,大学生で2名を対象に,これまでに運動習慣からの離脱(または離脱の危機を経験したものに対して体系的な面接調査を行った。そこから,離脱に至った状況やその原因、プロセスに関する情報を網羅的に収集し,来年度以降に続く質問紙調査を作成する上での基礎情報とした。
面接の結果,運動習慣からの離脱(またはその危機)に関連したと対象学生が認識していた要因として,次のような事項が浮かび上がってきたすなわち,勉強との両立が難しかったこと,受験勉強,運動がきつかったこと,部やチームの人間関係が悪かったこと,運動が楽しくなかったこと,部やチームの雰囲気,部やクラブが自分に合わなかった,3年生での部活の引退,引っ越し等による環境変化,場所や施設の不足などを挙げる者が比較的多かった。一方,金銭的な問題,家族からの運動への否定的な意見等は比較的少数であった。
これらの結果は,次年度以降の質問紙調査の内容に反映させる必要がある。