2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500586
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
大澤 功 Aichi Gakuin University, 心身科学部, 教授 (10223786)
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Keywords | 健康教育 / 費用対効果 / 介入研究 / 臨床疫学 / 糖尿病 / メタアナリシス |
Research Abstract |
本研究は,健康教育の評価について臨床疫学および臨床経済学の立場から検討するものである. 1.糖尿病領域における健康教育の効果 生活習慣指導のような教育的介入を実施した過去の研究における医学的評価尺度での成果と,個々の研究における教育のプロセスを調査する目的で,健康教育の一例として前年度と同様に糖尿病に対する生活習慣指導の効果に絞り,今年度は2000年1月から2008年12月までに発表されたmeta-analysisの結果について調査した.その結果,13論文が本調査の目的に適していた.その中で12論文が糖尿病患者への自己管理教育を評価していた.これらは患者教育によって血糖コントロールやQOLが改善されることを示していた.しかし,5論文においては血糖値の改善効果は小さかった.また,長期的な効果については十分に検討されていなかった.2型糖尿病のリスクが高い集団に実施した生活習慣指導によって,その発症が有意に低下したことを示していた論文もあった.以上の結果より,糖尿病領域において健康教育は糖尿病状態やQOLに良い効果をもたらすようだが,今後も効果だけでなく経済的評価という効率性をも含めて検討する必要があると思われた.なお,この成果は論文として発表した. 2.健康教育の臨床経済学的評価 前年度に引き続き,内外の研究動向を調査した.海外においても我が国と同様に健康教育の経済的評価を実施した論文は少なく,期待したような成果が得られなかった.この点については今後も調査を継続すると同時に,今回の研究期間中には十分にできなかったシミュレーションモデルについても検討を加える予定である.
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