2008 Fiscal Year Annual Research Report
凝固線溶系からみた小児期メタボリックシンドロームの特徴と効果的介入法に関する研究
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19500591
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
堀米 仁志 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (50241823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花木 啓一 鳥取大学, 医学部, 教授 (20238041)
鴨田 知博 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (50224704)
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Keywords | 生活習慣病 / メタボリックシンドローム / 小児 / 凝固線溶系 / アディポサイトカイン |
Research Abstract |
生活習慣病やメタボリックシンドロームの起源は胎児期から小児期にあると考えられているが、小児期における血液学的指標の標準値は確立されていない。本年度は、健康な小学生における凝固線溶系・アディポカインを含むメタボリックシンドローム関連指標の標準値を確立し、BMI、腹部肥満との関連を検討することを目的とした。常総市の健康な小学4年生の計148名(男児71:女児77名)を対象とし、身体計測、心拍数計測、血圧測定と血液検査を行った。空腹時採血を徹底し、日内変動の影響を避けるため、すべて朝9:00〜10:30に採血した。その結果、凝固線溶系指標のそれぞれの90 percentile値はFBG297.6mg/dL、プロテインC抗原116%、プロテインS抗原ll3.4%、FVIIlO8.4%,FXlO8.4%、totalPAI-146.4ng/mLであった。BMI>90 percentileとBMI<90 percbntileに分けて平均値の差を検討した結果、両群問で有意差が認められたのは、心拍数、血圧、インスリン値、尿酸、レプチン、FVII、FX、プロテインS抗原であった。また、心血管系危険因子(BMI高値、高血圧、高血糖、トリグリセリド高値、HDLコレステロール低値)をいくつ持つか、その個数によって対象を群別化して、群間でアディポカイン、凝固線溶系指標を比較検討した結果、因子数が多いほど有意に高値を示したのはFBG、レプチン、高感度CRPであった。脂肪の蓄積を表すBMIが凝固促進・線溶低下を示す指標およびレプチンと相関したことは、これらが小児期からメタボリックシンドロームの進展に関与していることを示唆している。また、これらの指標が小児期メタボリックシンドロームの診断に敏感な指標となり得ることを裏付けている。
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Research Products
(4 results)