2009 Fiscal Year Annual Research Report
肥満女性の身体活動と食行動の変容を目的とした医療職者と地域健康産業のチーム介入
Project/Area Number |
19500599
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
上田 真寿美 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30332810)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 昌子 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90199810)
大井 律子 山口大学, 医学部附属病院, 医師 (20398001)
|
Keywords | 肥満女性 / 身体活動 / 食行動 / 行動変容 / チーム介入 |
Research Abstract |
本年度は介入を終了し(2年後まで)、データ分析を行った。対象者は35歳以上、BMI25以上、運動習慣のない女性35名であった。対象者は大学と民間健康産業に所属する医師、健康心理士、健康運動指導士、管理栄養士らによる3ヶ月間の減量プログラムに参加した。本減量プログラムは減量だけでなく行動変容に焦点をあてた内容であり、医師の健康チェック、カウンセラーによる行動カウンセリング、運動指導士の運動指導や管理栄養士の栄養指導などで構成されている。プログラム実施後、希望者には有料にて民間の健康産業のサポート(スポーツクラブの使用と、引き続き個別に健康運動指導士の運動指導、管理栄養士の栄養指導)を受けられるようにした。減量プログラム前・後・1年後・2年後の比較結果を報告する。 対象者35名のうち、3ヶ月の減量プログラムを実施できたのは33名(ドロップアウト2名)、1年後の調査に参加した者は31名、2年後の調査への参加は26名であった。減量プログラムによって有意に減少した体重は2年後も維持されていた(プログラム前:68.1±7.8kg、後:64.1±7.6kg、1年後:64.0±7.7kg、2年後:64.4±9.2kg)。体脂肪率と腹囲も同様であった。また、プログラム後の有料サービスの有無による差はみられなかった。本結果から、3ヶ月という短期でも医療者がチームを組み行動変容を主とした本プログラムは減量効果が2年程度は維持できることが伺えた。しかしながら、QOLは介入後から徐々に低下しており、運動行動も介入前には戻っていないものの低下傾向が認められた。これらのことや先行研究等での減量5年維持率の低さなどから、減量2年前後で何らかの対策が必要であることも伺えた。 以上、医師、健康心理士、健康運動指導士、管理栄養士がチームを組み、民間健康産業と大学が提携した今回の試みは、一人一人に適した減量と生活習慣改善への介入と長期にわたるフォローアップを可能にし、今後の特定健康検診・保健指導に有益な示唆を与えるものと考えられた。
|
Research Products
(4 results)