2008 Fiscal Year Annual Research Report
介護予防におけるエビデンスに基づいた新しい高齢者の下肢筋力評価スケールの策定
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19500609
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
眞竹 昭宏 Yamaguchi Prefectural University, 看護栄養学部, 教授 (70238921)
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Keywords | 下肢筋力 / 介護予防 / 高齢者 / 解析・評価 / 歩行機能 / 筋電図 |
Research Abstract |
本年度は,それぞれの下肢筋が下肢筋力発揮にどの程度の割合で関与しているかを明らかにし,その特性から評価基準の策定を検討した。 被験筋は,大腿直筋RF・外側広筋VL・内側広筋VM・大腿二頭筋BF・前頸骨筋TA・腓腹筋外側頭LG・腓腹筋内側頭MGの7つとし,最大下肢筋力の20%MVC・40%MVC・60%MVC・80%MVCの連続漸増負荷をそれぞれ10secづつ維持させ、その筋電図を記録し筋積分値を算出した。 下肢筋力の発揮では,VM, VL, RFで強い筋力の発揮が確認され,本装置による下肢筋力測定では,大腿筋群の筋力発揮を十分に評価できることが示唆された。RF, VM, VLのIEMGは漸増負荷と相関的に増加傾向を示した。TAは40%IEMGでは20%IEMGとほぼ同様の値を示すが,60%IEMGで急増し,80%IEMGでも漸増負荷と相関的に増加した。20%MVC時のIEMGを100%として,それぞれの筋の%IEMGを検討したところ,VMとVL,RFとTAは,漸増負荷とともに強い筋力の発揮が確認され,それぞれ同様の%IEMGの増加傾向を示した。BFおよびMG,LGはほぼ横ばいの傾向を示した。足関節背屈筋群であるTAの%IEMGの変化は40%IEMGから60%IEMGの間で急増した。 注目されるのは下肢の伸展動作にも関わらず,足背屈筋群である前脛骨筋の筋力発揮が,大腿伸筋群の筋力発揮傾向と同様大きな変化を示したことである。これは下肢筋力発揮の際に,足関節底屈動作に加えて,足関節の内反動作も加わっていることが推測される。60%MVCから前脛骨筋の%IEMGが増加したことは,より強い力で「踏ん張る」ためには,前脛骨筋の筋力が必要とされていることが示唆され、足関節の「底屈+内反」動作による前脛骨筋の筋力発揮様相も下肢筋力評価の有効な評価項目であることが示された。
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