2007 Fiscal Year Annual Research Report
高分子量アディポネクチンや遺伝子多型によるメタボリックシンドロームの縦断的検討
Project/Area Number |
19500611
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
広瀬 寛 Keio University, 保健管理センター, 准教授 (50208881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 郁夫 慶應義塾大学, 保健管理センター, 教授 (60129442)
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Keywords | 生活習慣病 / アディポネクチン |
Research Abstract |
【背景と目的】アディポネクチンのカットオフ値に関しては、低アディポネクチン血症(全量アディポネクチン値<4.0μg/ml)の男性は、今まで報告されている冠動脈疾患のリスクファクターとは独立して冠動脈疾患の罹患率が2倍となるとの報告がある。本研究では断面研究として、定期健康診断受診者におけるメタボリックシンドロームの予測のための高分子量アディポネクチンのカットオフ値について検討した。【方法】定期健康診断を受診した30〜65歳の男性637名を対象とした。身長,体重,血圧を測定し,空腹時採血を施行した。メタボリックシンドロームの診断は2005年4月日本内科学会より発表の診断基準を用いた。【結果】(1)ROC解析にて高分子量アディポネクチンのカットオフ値(感度と特異度の和が最大値となる値)は、4.19μg/m1(感度85.5%、特異度44.2%)であった。(2)全量アディポネクチンと高分子量アディポネクチンの対数をとって回帰分析を施行したところ、全量アディポネクチン4μg/mlは高分子量アディポネクチン2.08μg/mlに相当した。このカットオフ値での感度は35.8%、特異度82.9%であった。(3)メタボリックシンドロームの診断基準を満たした割合は、637人全体の中では8.6%であった。高分子量アディポネクチン≦4.0μg/μlでメタボリックシンドロームの診断基準を満たした割合は12.7%であった。(4)高分子量アディポネクチン≦2.0μg/μlでメタボリックシンドロームの診断基準を満たした割合は17.1%であった。【結論】男性健診受診者の高分子量アディポネクチン濃度が2.0μg/ml以下の症例に対しては、食生活の見直しや減量など、ライフスタイルの改善に何らかの介入が必要であると考えられた。
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Research Products
(2 results)