2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500612
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
内藤 祐子 Kokushikan University, 体育学部, 教授 (00147258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 高明 国士舘大学, 体育学部, 教授 (10245681)
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Keywords | 皮膚冷刺激 / トレーニング / 肥満 |
Research Abstract |
高齢者や低体力者にとって神経系・筋系の改善と共に有酸素運動を安全で効率よく実施できる運動トレーニングは有用である。被験筋に皮膚冷刺激を与えながら筋力トレーニングを行うと最大筋力の35〜50%の低負荷強度でも筋力増加が得られる。本研究では筋力増大と同時に有酸素性能力の改善が効果的に行われるのを目的に皮膚冷刺激の手法を取り入れた低負荷の有酸素トレーニングを実施し,その有用性について検討した。あらかじめ有酸素運動と筋力増大に貢献する運動を同時に行えるかを検証したところ,筋活動量では皮膚冷刺激を加えたほうがコントロールと比較して増加が認められた。さらに,皮膚冷刺激によって呼吸にも変化を及ぼす傾向が見られた。心拍数は冷刺激を加えた方が低下傾向を示したが、有意な違いではなかった。次に,健康な成人男女を対象に皮膚冷刺激下での30分間の自転車エルゴメータによる定常負荷運動(80%AT)を週3回,6週間実施した。冷刺激トレーニング群は5℃に設定したアイシングシステムを左右の大腿部に装着した。コントロール群は皮膚冷刺激なしで同様のトレーニングを6週間実施した。トレーニング評価項目は有酸素性能力, MVC,身体組成とした。短期間の低負荷有酸素トレーニングによって両群共にAT値は上昇した。特に,皮膚冷刺激群では顕著な有酸素性能力の改善傾向が観察された。さらに,下肢伸展筋力もトレーニング前と比較して皮膚冷刺激下では増加傾向を示したが,有意な違いではなかった。In BODYによる身体組成測定では,皮膚冷刺激下でのトレーニング後に体重と体脂肪量に顕著な変化はなかった。その一方で冷刺激を与えた左右の下肢筋肉量の有意な増加が観察された。以上の結果より皮膚冷刺激下における低強度の有酸素運動は基礎代謝を増大させる筋肉量と有酸素能カアップに貢献すると考えられることから,高齢者の肥満対策用の運動として安全かつ有用であると考えられる。
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Research Products
(6 results)