2008 Fiscal Year Annual Research Report
有酸素性運動が脳神経機能に及ぼす効果の持続性-ERP-P3の単一施行解析法-
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19500622
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Research Institution | Seinan Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
八木 康夫 Seinan Jo Gakuin University, 保健福祉学部, 教授 (80200476)
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Keywords | Exercise / Auditory P300 / Reaction time / Duration |
Research Abstract |
(目的)有酸素運動は、反応時間(RT)を短縮し、大脳の情報処理過程を反映する事象関連電位P300(P3)の潜時を短縮し、振幅を増大することが報告されている(Magnie et al. 2000, yagi et al. 2003)。本研究は運動後のこれらの効果の経時変化から持続性を検討した。更に運動群のP3、RTから日常的運動の効果も検討した。 (方法)運動習慣の無い健常一般女子大生8名は自転車で有酸素運動(心拍数120拍/分)を30分行い、コントロール期、運動直後、1時間後、2時間後、2日後、4日後に、聴覚オドボール課題(標的2kHz音20%、非標的1kHz音80%)を15分間行い、誘発されたP3の潜時と振幅、RTを解析した。 (結果)有酸素運動のRT短縮とP3潜時短縮、P3振幅増大は有意(P<0.05)で、運動直後をピークに、RT短縮とP3振幅増大は2日目まで持続した。また、運動群はRTとP3潜時が有意に短く、P3振幅が有意に高かった。 (考察)運動は中枢神経系を活性化し、情報処理のスピードを加速する。その効果は持続性を有する。また、日常的な運動は脳神経機能における情報処理過程の促進を持続させる可能性があると考える。 (意義)有酸素運動による脳神経機能の活性化と情報処理のスピード化の持続性を持つことは、運動が脳神経機能に対するトレンナビリティを有することを示唆している。 (重要性)本研究の結果は、高齢者の習慣的運動が認知(力)を維持すること、改善することの重要な裏付けとなる可能性がある。
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Research Products
(1 results)