2009 Fiscal Year Annual Research Report
生活力育成における家庭科学習効果についての履修形態による追跡
Project/Area Number |
19500629
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
吉原 崇恵 Shizuoka University, 教育学部, 教授 (80022218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 顕子 金城学院大学, 生活環境学部, 准教授 (20350952)
室 雅子 椙山女学園大学, 教育学部, 准教授 (50329645)
小川 裕子 静岡大学, 教育学部, 教授 (20136154)
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Keywords | 履修形態 / コーホート / もの、ひと、こと / 日本、カナダ、韓国 / 家族とのよい関係 / 現代的課題 |
Research Abstract |
目的と方法:家族科で育てる力を生活力とし、実践の実態、課題意識、解決のための家庭科期待の3点で学習効果を把握してきた。その際、学習項目との対応のために日本、アメリカ、カナダの学習指導要領や教育書から82項目の小カテゴリーを設定していた。履修形態(学習指導要領告示年度)の違いによる対象を4つのコーホート:調査時の高校生(1998,99年度告示)、大学生(1989年度告示)、成人(1977,78年度告示)、成人(1969,70年度告示)にした。さらに海外(カナダ、韓国)で国内と同様の調査を行った。 結果の概要:実践の実態では「家族とのよい関係づくり」をはじめとする家族家庭、人間関係など「ひと」カテゴリーにおいて高く特徴的であった。加えて「自己概念」「意思決定」も高かった。成人女性では「衣生活」「食生活」カテゴリーが高く他のコーホート、男性との違いがあった。カナダの大学生では「自己や他者理解」、韓国では「家族の形の多様性」「資源の有限性」について高かった。課題意識について日本、カナダの大学生に共通する内容として「キャリア設計」「消費・経済」「保育」があげられ「環境・資源」「食生活」が続いた。これは日本の高校生にも共通していた。成人コーホートにはこれらは見られず「家族理解」「高齢者介護」などであった。家庭科への期待では、成人コーホートの低さが顕著であった。家庭科履修経験の無い世代・男性の家庭科の認識不足、機会があっても「生かされていない」学び方の問題が浮き彫りになった。家庭科を男女共学で学んできた大学生の生活力は「健康管理、家族・家庭、環境・資源、消費・経済、保育」と「もの、ひと、こと」に広がっていることがわかった。現代的な課題に対する能力育成を家庭科に期待しており、家庭科での学習の可能性を認めていることを示していた。日本家庭科教育学会大会、例会で発表し、冊子報告書を作成した。
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