2007 Fiscal Year Annual Research Report
人と環境にやさしい衣生活管理法の確立のために-衣類の白度保持を中心として-
Project/Area Number |
19500632
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
前川 昌子 Nara Women's University, 生活環境学部, 教授 (90144633)
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Keywords | 被服管理 / 排水 / 環境負荷 / 再汚染防止剤 / ムクロジ果皮 / 過酸化水素 / 尿素 / 酸化還元電位 |
Research Abstract |
衣服の洗濯・漂白など被服管理作業からの排水・エネルギー消費による環境負荷を小さくし、人と環境にやさしい衣生活管理法を確立するために、19年度は、(1)衣服の洗浄において衣服から脱離した汚れが再び衣服に再汚染するのを防止するために界面活性剤とともに用いる再汚染防止剤に関して検討した。すなわち、再汚染防止効果が期待されるムクロジ果皮について、その中の再汚染防止効果を発揮する有効成分を解明するために、高速液体クロマトクラフィーを用いて、成分の分離と分光分析法による同定を試みた。現有の機器では特定固定波長における吸光度しか検出できないので、種々の波長においてムクロジ果皮水溶液とムクロジサポニン水溶液について測定を行った。その結果、両者に明確な同一吸収ピークは認められなかった。 また、(2)繊維の過酸化水素漂白における尿素の活性化剤としての働きについても、酸化還元電位と白度を測定して検討した。その結果、尿素の添加により過酸化水素水溶液の酸化還元電位および白度が大きくなることはないが、酸化還元電位が安定することが分かった。また、尿素以外の代表的な活性化剤すなわちテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)および安定剤としてケイ酸ナトリウムを添加して酸化還元電位と白度を測定した。その結果、過酸化水素酸化還元電位はTAEDの添加により幾分高く、ケイ酸ナトリウムの添加により幾分低くなり、白度の変化はその逆の傾向が見られた。以上の結果から、過酸化水素漂白において、漂白浴の酸化還元電位ではなく、漂白浴のアルカリ度が繊維の白度に影響を与えることがわかった。
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