2008 Fiscal Year Annual Research Report
人と環境にやさしい衣生活管理法の確立のために -衣類の白度保持を中心として-
Project/Area Number |
19500632
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
前川 昌子 Nara Women's University, 生活環境学部, 教授 (90144633)
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Keywords | 生活環境 / 環境対応 / 染色 / 漂白 |
Research Abstract |
平成20年度は、天然色素を含有する素材を用いた繊維の染色法に関する研究を行い、過酸化水素を用いた漂白における尿素の働きについても昨年度に引き続いて検討を行った。天然素材としては、タマネギ外皮、柿渋タンニン、サトウキビの葉を用いた。 タマネギ外皮は古くから染色に用いられてきた。近年は薬理作用に関する研究は進んでいるが、染色への利用は多くはないため、その染色性に関する研究例は少ない。本研究では、その主色素である試薬ケルセチンを用いてタマネギ外皮中のケルセチンの染色挙動について知見を得ることができた。現在、論文の準備中である。 柿渋タンニン染めは近年ブームになっているがやはり染色科学の立場からの研究は少ない。本研究では、奈良県農業総合センターから提供された柿渋タンニンによる染色条件について検討した。サトウキビの葉に含有される色素を用いた染色品は沖縄では地域振興を図って販売されている。本研究では色素の抽出条件、染色条件について検討して知見を得た。 綿布の漂白は、アルカリ条件での過酸化水素漂白で十分な白度が得られるが、環境負荷を考慮すると中性条件に値ける漂白方法を確立することが期待されている。過酸化水素による綿布の漂白の添加剤として市販の漂白助剤に含まれる尿素の影響を検討した。その結果,アルカリ漂白と同程度の白度が中性条件でも得られ、尿素の添加により漂白綿布の白度は大幅に上昇した.また、漂白布の白度は温度の上昇とともに上昇したが、それに伴う引張強度の変化はほとんどなく,漂白前と比較しても低下しないということが明らかとなった.
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Research Products
(3 results)