2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本人の生活様式をふまえた不均一暖房環境の特徴と評価に関する研究
Project/Area Number |
19500634
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
輿水 ヒカル Kyushu University, 大学院・芸術工学研究院, 学術研究院 (00423517)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栃原 裕 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (50095907)
|
Keywords | 温熱環境 / 快適性 / 皮膚温 / 直腸温 / 心拍変動係数 / 自覚症 / 温冷感 / 温熱的快適感 |
Research Abstract |
我が国で従来から行われてきた「採暖」方式の暖房を想定し、不均一暖房環境が人体に与える生理的・心理的影響を明らかにすることを目的とした実験を計画・遂行した。場所は九州大学環境適応研究実験施設で、人工気候室内で不均一環境を再現するため空調ボックスを設置した。実験条件は、実際の日本でのコタツやホットカーペットの使用状況を鑑み、人工気候室と空調ボックスの設定温度から上下温度差を0〜36℃の範囲で作り出し、コタツ等の「頭寒足熱」を再現する条件を設定した。室温は日本の冬季の住宅熱環境を想定し14℃とした。 測定項目は、生理的反応として、皮膚温、直腸温、血圧、心拍数、心拍変動係数(HRV)、唾液中コルチゾールおよびIg-Aなど、また心理的反応として温冷感、温熱的快適感などの主観的申告および疲労や眠気に関する自覚症状アンケート項目、および被験者には実験中に記憶探索課題を課しその成績を測定した。実験手順は、被験者は25℃に設定された前室にて実験用着衣に更衣し測定装置をとりつけるなどの実験準備をした。十分安静にした後実験室に移動し、空調ボックス内のイスに120分着席し、不均一暖房環境に暴露させた。その間、前述の測定項目の測定を適宜行った。実験は平成19年秋から冬にかけて行った。 実験の結果、上部温度が低い状態であっても、下部温度が十分高い場合には深部体温や手指皮膚温の上昇が観察された。今後さらに実験結果の解析を進める。
|