2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本人の生活様式をふまえた不均一暖房環境の特徴と評価に関する研究
Project/Area Number |
19500634
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
榎本 ヒカル National Institute of Occupational Safety and Health, Japan, 国際情報・研究振興センター, 研究員 (00423517)
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Keywords | 温熱環境 / 快適性 / 皮膚温 / 直腸温 / 心拍変動係数 / 自覚症しらべ / 唾液中コルチゾール / 上下温度差 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、不均一暖房環境が人体に与える生理的・心理的影響を明らかにすることを目的とした実験室実験の解析を行った。九州大学芸術工学部環境適応研究実験施設において、不均一環境を作り出すための空調ボックスを設置して実験は行われた。空調ボックス内温度を14℃から50℃に設定し、「頭寒足熱」状態に身体がばく露された時の生体反応を測定した。被験者には大学生男子8名を採用した。被験者は空調ボックスに90分間滞在し、その間下半身が加温された。 測定項目は皮膚温、直腸温、血圧、心拍数、心拍変動係数(HRV)、唾液中コルチゾールおよびIg-A濃度、主観的申告(温冷感、温熱的快適感等)、「自覚症しらべ」項目、PCによる記憶探索課題成績結果であった。 その結果、下部温度が高くなるほど皮膚温が高くなり、上部温度に暴露されている部位の皮膚温にも下部温度の影響がみられた。直腸温は下部温度が高くなるほど上昇した。HRVにおけるHF成分は、心拍数が少ないほど増加する傾向を示した。唾液中のIg-A濃度には有意な傾向は認められなかったが、コルチゾール濃度は下部温度が高いほど上昇する傾向がみられた。自覚症しらべについてはねむけ感および疲労感が下部温度が高いほど有意に上昇した。 以上の実験結果を基に新たな指標としてBOX作用温度を提案し、既往研究の結果とも照らし合わせた結果、本条件における至適下部温度は32〜38℃程度であり、BOX作用温度が24℃〜25℃程度で至適環境になることを確認した。
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Research Products
(3 results)