2008 Fiscal Year Annual Research Report
郊外戸建住宅地の管理・運営システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
19500640
|
Research Institution | Heian Jogakuin(St.Agnes')University |
Principal Investigator |
西村 一朗 Heian Jogakuin(St.Agnes')University, 生活福祉学部, 教授 (30043186)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 真子 広島工業大学, 環境学部, 講師 (80346303)
|
Keywords | 社会福祉協議会 / 戸建住宅地 / 住宅地管理 / 地域活動 / コーポラティブ戸建 |
Research Abstract |
今年度は二つの調査を行った。一つは、郊外戸建住宅地を含む地区の社会福祉協議会の果たす住宅地管理・運営機能を検証し、将来の可能性を探った。もう一つは、戸建のコーポラティブ住宅地における個々の居住者の将来の自分の住宅の扱い(広い意味での管理のあり方)についてケーススタディをした。前者は広島において、後者は関西において行った。前者では、地区の社会福祉協議会は、名前のように社会福祉事業を行う団体であるが、広域的に様々な活動を包括している点を生かして福祉(いわゆる子ども、高齢者、障害者を対象とした支援)を超えた広い意味での住民サポートが展開できることが分かった。例えば、買い物の御用聞きと配達、留守中の家屋や庭の管理、活動拠点として空き家や空き地の活用など、多様な側面から戸建住宅地の管理・運営問題に対応できる可能性がある、と結論できる。後者では、年齢や家族形態(夫婦、単身等)で、将来見通しは様々だが自らの高齢化が進む中で社会的な高齢者住宅や施設に入ろうとする傾向は強くない。これは、長年、協力して住宅地を形成してきたことから、家族を超えた近所の「助け」(福祉的介助ほではなく、長期不在の時の住まいの見守りなど)が期待でき、日常的な気軽な付き合いや地域活動の存在が大きいであろう。また子供達も「コーポラティブ戸建住宅」の意義も理解している場合が多く、一つの事例では、関東出身で滋賀県の戸建コーポラティブ住宅に入居した家族では、関東に住んでいた子供たちが両親の「引力」と戸建コーポラティブ住宅の「引力」にひかれて次々と近所に引っ越してきて、週末や休みは大家族風になっていた。郊外戸建住宅地では、集合住宅地の管理組合のような「強い」管理・運営システムがすぐには出来ないが、社会福祉協議会や自治会などを通じて「ゆるい」管理・運営システムの形成は可能である。
|
Research Products
(1 results)