2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢化社会に対応した身体にやさしい消臭・抗菌機能布の開発に関する研究
Project/Area Number |
19500643
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Research Institution | Tokyo Kasei Junior College |
Principal Investigator |
小林 泰子 Tokyo Kasei Junior College, 服飾美術科, 教授 (50259123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲西 正 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (90198143)
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Keywords | 消臭性 / 反応染料 / 銅塩 / におい / ガスクロマトグラフ / 媒染染色 / マーセル化 / 綿 |
Research Abstract |
高齢者が好む肌に優しいメリヤス,ガーゼ,タオル等に,反応染料と金属塩や希土類塩を用い媒染染色を行い,加齢臭やチオールなどの身体や環境から発生する臭いの除去作用と抗菌作用を付与した消臭機能綿布の開発を目的とし,19年度は堅ろう性が高い含銅反応染料と銅塩で綿布を媒染し,洗濯と消臭を繰り返し,実用性の高い消臭機能布の調製法と,ガスクロマトグラフ法を用いた消臭機構の解明を行った. 消臭機能布を調製するために,染料としてC.I.Rcactive Blue237とC.I.Reactive Blue71,媒染剤として硫酸銅,綿布としてマーセル化メリヤス綿布と未マーセルメリヤス綿布,悪臭物質としてエタンチオールを用いた.3%o.w.f.の染料と硫酸銅で媒染染色した染色布,(先媒染+染色)布,先媒染布,(染色+後媒染)布,(先媒染+染色+後媒染)布につき,消臭と洗濯を10回繰り返し,消臭効果の持続性を調べた.消臭性の高い(先媒染+染色+後媒染)布では,1回目の消臭でエタンチオール残存率は4時間で0%になったが,洗濯と消臭を繰り返し,10回目の消臭でエタンチオール残存率は8時間で50%となった.洗濯により,含銅量が減少したために消臭効果が減少したと考えられる,今後,銅を繊維に固定する方法の検討が必要であると考えられる. 含銅媒染染色綿布による消臭過程を調べるために,科学研究費補助金にて購入した炎光光度分析装置を既存のガスクロマトグラフィーに組み込み,悪臭モデル物質に含まれる硫黄の濃度を測定することを計画した,本年度は主に測定条件の探索を行った.エタンチオールと含銅綿布を入れたバッグ内の気体を,気体用注射器でサンプリングして測定を繰り返した.エタンチオールとその酸化物であるジエチルジスルフィドが定量的に検出できることを確認し最適測定条件を決定した.
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