2008 Fiscal Year Annual Research Report
教材開発を通した子どもの創造性を育てる表現教育のあり方に関する体系的研究
Project/Area Number |
19500655
|
Research Institution | Kamakura Women's University |
Principal Investigator |
矢野 真 Kamakura Women's University, 児童学部, 准教授 (00369472)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉津 晶子 熊本学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (60350568)
|
Keywords | 表現教育 / 教材開発 / 造形と音楽 / ワークショップ / 保育実践 / 音とかたち / おりがみうた / うたの絵本 |
Research Abstract |
本研究は、実際の保育・教育の現場における「造形」と「音楽」を融合した教材開発を通して、子どもの創造性を育む保育・教育内容の提唱と実践を行うことを目的とする。そこで、平成19年度に認定こども園と保育所・幼稚園における表現教育の現状調査をもとに、平成20年度は「造形」と「音楽」の融合における子どもの援助についての実践研究を中心に行った。まず、具体的に新たな教材開発として、著書「幼稚園・保育園の毎日のおりがみ」(2008年)を発表し、そのなかで「おりがみうた」の提案を行い、その検証として「音とかたち」をテーマとした8回のワークショップの実践に取り入れ、検討を行った。その結果、制作したものを楽しく音を出しながら歌って楽しむ子どもたちの様子がみられ、制作したもので歌うことや音を奏でることを楽しむことの重要性を見出すことができた。また、その親のアンケート調査から、音楽と造形を切り離して考えることなく制作を行うことの重要性を導き出すことができた。第二に、保育者が子どもに提供する教材開発として、モダンテクニックを取り入れた「うたの絵本」制作を提案し、実践を行った。その「うたの絵本」を保育の実践において、子どもの反応や保育者の要望などを調査したところ、「おりがみうた」と同様に音楽と造形を融合する教材を通して、子どもの創造性を育む保育・教育内容の提唱として意義のあることが導き出された。ここから本研究が、これからの保育・教育の現場のなかで、どのように表現教育を捉え、どのように子どもとその取り巻く環境に働きかければいいのかという、福祉現場や教育現場からの要求に応えられる研究になり得ることが明らかとなった。
|