2008 Fiscal Year Annual Research Report
液状食品用簡易溝型流路粘性測定器による迅速粘性評価システムの構築
Project/Area Number |
19500659
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
吉田 雅典 Niigata University, 自然科学系, 助教 (70282994)
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Keywords | 液状食品 / 粘性 / 非ニュートン性 / 層流 / 剪断速度 |
Research Abstract |
本研究では,液状食品の品質管理における重要な項目である非ニュートン粘性を評価するための,構造が簡単で,取扱いが容易な簡易型粘度計の開発とそれによる合理的,汎用的な評価システムの構築を目的とした.供試する液(試料)を流動させたときに生じる応力を評価する粘度計の概念として,流動の推進力に重力の作用を可変的に用いることを念頭におき,測定器における流動場を溝型の流路に設定した.ニュートン性(グリセリン,水飴水溶液)および非ニュートン性(キサンタンガム水溶液)の試験液を用いて,それらがアクリル樹脂製溝型流路測定器内を流れる模様を2方向からビデオカメラで連続的に撮影した.分割した時系列画像の解析から,液の流れを特徴付ける後壁高さと流動長さを時間の関数として決定し,併せて流動先端位置での速度を算出した.これらの長さと速度を用いて定義した摩擦係数すなわち,無次元で表した応力とレイノルズ数は反比例関係にあり,測定器内の流れは,主に粘性が支配的な層流様式であることが示された.また,そのときに形成する剪断速度は1s^<-1>以下のオーダーであり,本測定器はそのような剪断速度範囲での粘性測定に利用できることが確かめられた.試験液について得られた実験的関係に基づき,液状食品のモデル液(澱粉で増粘したトマトピューレ)の粘性を評価した.溝型流路粘性測定器すなわち本簡易型粘度計による測定値は既往のコーンプレート型粘度計による値と良好に一致し,本簡易型粘度計では,物理的意味が明確な粘度を満足できる程度の精度で評価できることが示された.
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