2008 Fiscal Year Annual Research Report
小麦アレルギー予防に向けたグルテンフリ-米粉パンの製造
Project/Area Number |
19500660
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小谷 スミ子 Niigata University, 人文社会・教育科学系, 教授 (60018653)
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Keywords | 小麦アレルギー / グルテンフリー / 米粉パン / ヒドロキシプロピルメチルセルロース / 粘度 / 物性 / テクスチャー / 官能検査 |
Research Abstract |
小麦アレルギー予防に向けたグルテンフリー米粉パンの開発を行うため、2007年厚生労働省により用途制限が解除された食品添加物(増粘多糖類)のヒドロキシメチルセルロース(HPMCと略)を小麦グルテンの代わりに添加し、三大食物アレルゲンである卵・牛乳・小麦を含まない米粉パンの製造を試みた。米粉パンの製造条件として材料の種類、材料の配合割合、発酵温度・時間および焼成温度・時間を検討した。米粉パンの評価は物性評価(比容積、重量減少率、硬さ、凝集性、付着性、破断応力)と官能評価(2点嗜好法と5段階評点法)により行った。米粉パン生地の評価は様々な材料配合割合の生地を粘度測定し流動特性を求めることで行った。その結果、主材料の米粉100に対する副材料の重量比は、HPMC 0.8、ドライイースト1.5、オリーブオイル5、砂糖8、塩2、水80が適当であった。米粉パンの生地は、特徴的なずり履歴を示し、みかけの粘度を20〜40×10^4mPa・sに調製すると製パン性が良好になることが示唆された。焼成後のパンの比容積は一般的な食パンの4.0に近い値が得られた。試料サイズ2.0×2.0×2.0cmの米粉パンの硬さは11.5±3.2×10^3Pa、凝集性は0.60±0.04、付着性は2.0±1.0×10^2J/m^3とグルテン添加米粉パンに比べはるかに膨化し柔らかい食感のパンとなった。官能評価では個人差は大きいものの有意に好まれる傾向が得られ、特に色・内相のやわらかさ・もちもち感では高評価を得た。HPMC添加した米粉パンは、従来の米粉パンの概念を覆す食感の製品となった。小麦アレルギー患者はもとより、多くの消費者も利用できる製品として販路が広まる期待がもてる。また、米需要の拡大にも繋がる期待ももてる。
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Research Products
(1 results)