2007 Fiscal Year Annual Research Report
易摂食性食品における咀嚼・嚥下特性と力学特性の関係
Project/Area Number |
19500666
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
森高 初恵 Showa Women's University, 生活機構研究科, 教授 (40220074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志賀 清悟 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (50196367)
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Keywords | 力学特性 / 飲み込み特性 / ペースト / 固体分散系 / キサンタンガム / グアーガム / 澱粉 / 寒天ゲル |
Research Abstract |
市販されている増粘剤は主原料によって、キサン久ガム系、グアーガム系、澱粉系の3タイプに分類される。本年度は連続相を構成する分子の構造によって、食品の物性と飲み込み特性がどのように影響を受けるのか検討した。試料として、キサンタンガム、グアーガムおよび澱粉の3種の増粘剤と水を合わせた計4種類の継続相中に固体試料として寒天ゲルを分散したモデル試料を用いた。厚生労働省の定める方法によりテクスチャー特性値を、また動的粘弾性率も測定し、併せて咽頭部での食塊の最大移動速度を超音波画像診断装置により測定し、加えて官能評価も実施した。キサンタンガムペーストでは他のペーストよりも硬さは低く、凝集性は高く、硬さ、凝集性および食塊の最大移動速度は分散媒の添加割合および咀嚼回数の影響を受けず、寒天ゲルへの添加効果は4種類のペーストの中で最も高かった。これはキサンタンガムの強いシュドプラスチック粘性によると考えられる。寒天ゲルが咀嚼によって破壊されてもテクスチャー特性値に影響を及ぼさなかったためと思われる。グアーガムペーストでは咀嚼回数の増加に伴い、硬さと貯蔵弾性率は低下したが、付着性が大きいという特徴を持ち、食塊の最大移動速度は咀嚼回数の影響を受け難かった。澱粉ペーストでは咀嚼回数の増加に伴い、貯蔵弾性率は低下したが、食塊の最大移動速度は反対に速くなり、寒天ゲルへの添加効果は弱かった。咀嚼後では澱粉の付着性は水とほぼ同程度となり、唾液に含まれるアミラーゼによってアミロースとアミロペクチンが分解され、ネットワーク構造が崩壊した。水では咽頭部通過の最大移動速度は速く、硬さは咀嚼後でも他のペーストを添加した試料より高い値を示し、添加効果は最も小さかった。
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