2009 Fiscal Year Annual Research Report
易摂食性食品における咀嚼・嚥下特性と力学特性の関係
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19500666
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
森高 初恵 Showa Women's University, 生活機構研究科, 教授 (40220074)
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Keywords | 力学特性 / 飲み込み特性 / 寒天ゲル / ゼラチンゲル / 食塊 / 咀嚼 |
Research Abstract |
昨年度の実験結果から、寒天ゲルでは摂取量が多く咀嚼回数の少ない場合には食塊が硬いゾル状となり、ゼラチンゲルでは摂取量が少なく咀嚼回数の多い場合には、食塊が液状となることが判明した。つまり、寒天ゲルでは咀嚼によって咽頭部の食塊の最大移動速度は制御できるが、口腔内で多くの咀嚼回数を必要とし、ゼラチンゲルでは多くの咀嚼回数は必要としないが、咀嚼しすぎると口腔内で融解が生じ、咽頭部での食塊の最大移動速度が制御できないことなど、単独ゲルにおいては問題があることが明らかとなった。そのため、寒天ゲルとゼラチンゲルの利点を活かし、欠点を補ったゲルについて検討することが必要と考えられた。本年度は、寒天ゾルとゼラチンゾルを混合してゲルを調製することで、咀嚼・嚥下困難者用食品としての改善が、単独ゲルと比較して認められるか否かを検討した。試料として、寒天ゾルとゼラチンゾルを3:1で混合したゼラチンゲル25%、1:1のゼラチンゲル50%、1:3のゼラチンゲル75%を用いた。併せて、寒天100%ゲルとゼラチン100%ゲルを加えて総合的に検討を行った。その結果、混合ゼラチン25%ゲル、混合ゼラチン50%ゲルと混合ゼラチン75%ゲルの硬さ、咽頭部での食塊の最大速度は、寒天100%ゲルとゼラチン100%ゲルの中間の値を示した。混合ゲルの中では、混合ゼラチン25%ゲルと50%ゲルは、摂取量や咀嚼回数が変化しても、硬さの変化が比較的狭い範囲にあり、咽頭部での食塊の最大速度の上昇も抑えられ、飲み込みやすい試料であることが判明した。
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