2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500667
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
宮岡 洋三 Niigata University of Health and Welfare, 健康科学部, 教授 (10134941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蘆田 一郎 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (10323958)
岩森 大 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 講師 (90339961)
玉木 有子 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 助手 (00410267)
川上 心也 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 助教 (60410271)
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Keywords | 食品評価 / 筋電図 / パタン解析 / テクスチャ / 官能評価 |
Research Abstract |
20年度の大きな目標は、初年度(19年度)で確立したT_p手法による「解析システム」を咀嚼時の咬筋筋電図データへ適用し、筋活動パタンから食品の識別が可能か否かを明らかにする点にあった。 食品物性の測定に基づき、10種類を選定の上10名の健常被験者へ被検食品として供した。パイロット的知見を得るため、今回は5食品(カンパン、アーモンド、タクアン、グミ、チーズ)の咀嚼時データを解析した。各試行における食品の咀嚼回数は数十回に及んだが、その中で第1〜第5咀嚼周期から得られた700個(5食品×28試行×5周期)のデータにT_p手法を適用した。 T_p値としてT_<10>値〜T_<90>値が算出されるが、ここではT_<50>値について統計解析を施した。その結果、基本的に「アーモンド、グミ、タグアン」咀嚼時のT_<50>値は「チーズ」咀嚼時のそれに比べて低値を示し、かつそれらの差違は咀嚼周期が進むほど不鮮明になった。この結果から、少なくとも被検食品間の差違が最も著しかった第1〜第3咀嚼周期については、T_<50>値によって評価された筋活動パタンは食品(群)の識別に有効であることが示唆された。 T_<50>値に加えて、同期の5咀嚼周期における咬筋活動期間ならびに活動量の変化についても統計解析を実施した。被検食品間で比較した結果、咬筋の活動期間と活動量ともT_<50>値とは連動しないと判明した。したがって、T_<50>値は咬筋の活動期間と活動量とは識別子となり得ることが示唆された。 これらの知見から、咬筋の活動パタンのみではなくその活動期間と活動量も併せて考慮する方法を検討する必要がある。例えば、これらの変数を説明変数とし、食品(群)を目的変数とする多変量解析をおこなえば、より正確な食品(群)の識別が可能になると考えられた。
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Research Products
(5 results)