2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトを対象とした基本味の官能評価に及ぼす化学的および物理的諸要因の影響とその解明
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19500671
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Research Institution | Suzugamine Women's College |
Principal Investigator |
岡本 洋子 Suzugamine Women's College, 食物栄養学科, 教授 (70270022)
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Keywords | 甘味強度 / 塩味強度 / 官能評価 / 温度 / 市販飲料 / ゲル / ゾル |
Research Abstract |
代表的な甘味および塩味物質を試料として、添加するデンプン濃度を0.56〜20.0%へと変化させ、濃度が高くなるとともに味の感じ方がどのように変化するのか検討した。D-グルコース、D-フルクトース、スクロース、ラクトース、D-マルトース、ガラクトオリゴ糖、マルチトール、D-ソルビトール、キシリトール、塩化ナトリウム、塩化カリウム等を用いて、「デンプン添加の甘・塩味試料」と「甘・塩味溶液(基準液)」では、味強度がどのように異なるのか官能評価の手法によって調べた。デンプンを添加した甘味・塩味試料が、ゾルからゲルに移行するにともなって、呈味強度の低下が認められた。ゾル試料とゲル試料では、味強度に有意差の認められたグループ間が多かった。スクロース試料については破断応力を測定しており、ゾルからゲルへ移るとき、顕著な破断応力の上昇が認められた。 甘味・塩味料および市販甘味飲料を用いて、冷却した場合と温めた場合について、甘味・塩味の感じ方の相異を基準温度(20℃)の試料を対照として調べた。甘味・塩味試料に対する実験では、D-グルコース溶液等の8試料および塩化ナトリウム溶液等の4試料が用いられた。5℃では、基準液と比較して、甘味を弱く感じる試料が4種類(総計8種類)であった。45℃では、基準液と比べ、甘味を強く感じる試料が5種類(総計8種類)であった。5℃では、基準液と比べ、塩味を強く感じる試料が3種類(総計4種類)であり、45℃では、塩味を弱く感じる試料が4種類(総計4種類)であった。市販飲料の甘味強度を比較した結果では、5℃では、基準液と比べ、甘さを弱く感じる試料が9種類(総計14種類)あり、45℃では、基準液と比較し、甘味を強く感じる試料が11種類(総計14種類)であった。市販甘味飲料では、冷却するとヒトが感じる甘味強度が弱くなり、温めると甘味強度が強くなる飲料が多いことが示された。
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