2008 Fiscal Year Annual Research Report
非侵襲的方法による日中韓小児の微量元素の摂取と栄養に関する研究
Project/Area Number |
19500676
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
渡邊 孝男 Miyagi University of Education, 名誉教授 (20004608)
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Keywords | 微量元素 / 小児 / 毛髪 / 陰膳実測法 / 栄養摂取量 / 日本 / 中国 / 韓国 |
Research Abstract |
小児の微量元素の小児の発育・発達および有害性が認められている微量元素を対象に、体内栄養状況の生体指標として実用性等から非侵襲的な方法で採取できる毛髪、爪および尿の有用性について観察・評価すると共にアジア地域の小児の微量元素の毛髪や爪中濃度のバックグランドレベルを検証する。(1) 研究対象は就学前4歳から6歳の幼稚園児で、2001年から2005年までの調査により採取した食事とスポット尿と毛髪によった。調査検体は韓国ソウル市1幼稚園、済州道3幼稚園の合計113名、中国は北京市3幼稚園の80名、山東省済南地区2幼稚園の78名、湖南省長沙地区2幼稚園79名、吉林省長春地区2幼稚園80名、陜西省西安市2幼稚園40名および宮城県内幼稚園児296名から得た。食事と尿は湿式灰化処理、毛髪はアルカリ溶融処理後にICP-MS,ICP-AES、AAS法で前年度に引き続きAs、Se、Cd、Pb、Sn、Fe、Zn、Cu、Ca、Mg、Sr、Na、K、Cl等を測定した。(2) 元素摂取量、尿中濃度および毛髪濃度の測定値を幼稚園、性、年齢別に整理、検討した。元素摂取量は3歳児から6歳児間では性差を認めない。毛髪濃度には元素により有意な性差を認め、多くは女児に高値である。摂取量には年齢間に相違を認めるものもあるが単位体重当たりでは解消する。汚染元素および栄養元素共に幼稚園間、地域および日中韓で有意な相違を認められるものがある。(3) 各元素間の相関を摂取量および毛髪濃度について求めた。摂取量および毛髪濃度共に元素間で有意に相関間関係を示すグループを認める。(4) 幼稚園単位では摂取量と毛髪濃度の間には有意な相関関係を認めるものがある。(5) 毛髪濃度による摂取量の評価、栄養に関する評価の妥当性については詳細な検討が必要である。
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