2007 Fiscal Year Annual Research Report
経管栄養剤の半固形化による高齢者の栄養改善・腸内環境改善効果の検討
Project/Area Number |
19500677
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
田村 朝子 Yamagata University, 地域教育文化学部, 准教授 (60240991)
|
Keywords | 高齢者 / 経管栄養剤 / 腸内細菌 |
Research Abstract |
本研究ではまず、咀嚼・嚥下機能の低下した高齢者に用いられている「経管栄養剤」の使用実態を明らかにする。その後経管栄養剤を「半固形化」して投与した場合の、高齢者の栄養状態及び腸内環境改善効果を明らかにすることを最終目的に研究を遂行する。経管栄養剤は液体のため、固形食物を摂取した場合に比べ誤嚥、むせ、逆流などが起こりやすい上、腸管刺激が少ないことから便秘になりやすい。これらを防止するためには経管栄養剤を半固形化し投与する必要がある。研究計画に従い、平成19年度は、「経管栄養剤」の使用実態調査を行い、その使用方法や種類、対象高齢者の特徴などを明らかにした。 1.実態調査方法 山形県内の病院及び老人福祉施設250ヶ所、県外病院40ヶ所に調査用紙を送付し、FAXで回答してもらった。 2.結果 調査票回収率が70%近くと非常に高かった。経管栄養剤は、回答した病院・老人福祉施設の98%で使用されていた。使用数は1施設当り平均5.4±1.4種類で、病院は6.5±2.1種類、福祉施設は3.4±1.1種類であった。またその使用目的疾患は褥瘡が最も多く、糖尿病、腎臓病、高脂血症の順であった。しかし、同施設内で同一疾患であっても、同程度栄養価の異なる栄養剤を使用している施設が多くあり、経管栄養剤の使用について効率性が悪く、整合性がとれていないことも明らかになった。 したがって、今後はまず、経管栄養剤の疾患別、使用目的別の分類表を作成し、施設などで活用できる「早見表」を至急作成したいと考えている。その後、経管栄養剤の半固形化の条件検討を行い、栄養状態及び腸内環境改善効果を検討する予定である。
|
Research Products
(2 results)