2008 Fiscal Year Annual Research Report
老年期食生活における食物繊維の役割-老齢ラットによる遺伝子発現変化を指標として
Project/Area Number |
19500679
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
南 道子 Tokyo Gakugei University, 教育学部, 教授 (70272432)
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Keywords | 遺伝子 / 栄養学 / マイクロアレイ / 老年期 / 発現変化 |
Research Abstract |
食物繊維は第六の栄養素と言われ最近注目されてきているが、主に栄養素を吸着させて腸からの吸収を遅らせる効果が機能と考えられている。しかし、腸内細菌の中には食物繊維を栄養源として生育する菌もあり、それらの代謝産物や食物の分解物が吸収されて肝臓で代謝されるにあたり、遺伝子の発現調節を行っているのではないかということから、動物実験を行って肝臓のDNAマイクロアレイを行うことを考えた。機能が低下した老齢期での食物繊維の効果を調べるために老齢ラットをモデル動物とした。ラットは40週令の雄のラットを用い食物繊維10%の群と2%の群で飼育し、ネンブタール麻酔で頸動脈より失血死させ、その後肝臓を取り出し、サンプルとした。サンプルはまずtotal RNAを抽出後、それからcDNAを合成し、さらにcRNAを合成後断片化してマイクロアレイのチップにハイブリダイズさせた。そののちAffymetrix社のGene Chip Fluidic Station 450で染色、洗浄後、 Affymetrix社のGene Array Scanner3000でスキャンしてソフトウェアのGCOSでマイクロアレイのデーターを得た。それを基に統計解析言語「R」を用いて解析し、正規化はFactor Analysis for Robust Microarray Summarization (FARMS)で行った。二群間比較はRank Product法で行った。また、False Discovery rate (FDR)を考慮して理論上False positiveが1つ未満になるような遺伝子リストを抽出し、それをDAVIDのウェブツールを用いてどのような遺伝子が有意に集まっているかgene enrichment analysisを行ったところ、10%食物繊維群では脂肪酸のβ酸化、コレステロール合成、抗アポトーシスに関する遺伝子の割合が高まっていた。
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Research Products
(1 results)