2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト生体内におけるアクリルアミドの毒性発現および生成に対する食品成分の影響
Project/Area Number |
19500683
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
増田 修一 University of Shizuoka, 食品栄養科学部, 助教 (40336657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木苗 直秀 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (00046286)
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Keywords | アクリルアミド / グリシダミド / 変異原性 / CYP2E1 / 糖尿病 / 緑茶 / ワサビ / アルコール |
Research Abstract |
現在、加工食品中のアクリルアミドが大きな社会問題となっている。アクリルアミドは摂取後、薬物代謝酵素CYP2E1により代謝活性化され、強い毒性を示すグリシダミドに変化する。CYP2E1は糖尿病発症時またはアルコール摂取時に誘導されることが報告されており、また、食品中にはCYP2E1の発現を抑制する成分が存在している。また、アクリルアミドは食品加工時における高温条件下で生成する。したがつて、この反応を阻害する食品素材を検索することは重要である。本研究では、糖尿病発症時、または他の食品を摂取した場合のアクリルアミドの毒性の変動及び生成に対する他の食品成分の探索を行ったところ、以下の成果を得ることができた。 (1)ラットにアルコール自由摂取させた後、また糖尿病ラットにアクリルアミドを投与したところ、各臓器において、遺伝毒性が上昇した。アルコール摂取群では、肝臓におけるCYP2E1の活性が上昇した。 (2)アスパラギンとグルコースの混合溶液に緑茶、ワサビを添加して、高温条件下で反応させたところ、食品素材を添加することにより、アクリルアミドの生成量は減少した。 (3)実験動物にアクリルアミドと緑茶、ワサビを同時に経口投与し、各種遺伝毒性試験でアクリルアミドの毒性変動を検定したところ、いずれの食品素材もアクリルアミドの毒性を軽減した。 以上の研究成果より、アクリルアミドの毒性は他の食品成分により大きく変動することが明らかになり、今後食品の安全性を考える上で、食べ合わせを考慮した研究が重要になると思われる。
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Research Products
(10 results)