2007 Fiscal Year Annual Research Report
微量元素の細胞性免疫に対する影響の分子栄養学的研究
Project/Area Number |
19500690
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
田中 進 Takasaki University of Health and Welfare, 健康福祉学部, 教授 (70348142)
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Keywords | カルシニューリン / インターロイキン-2 / ニッケル / マンガン / バナジウム / Jurkat細胞 / AP-1 / NFAT |
Research Abstract |
1.カルシニューリン(CN)活性に影響を与える微量元素のin vitroにおけるスクリーニング CNは、T細胞においてインターロイキン-2(IL-2)産生を制御し、細胞性免疫に関与する酵素として知られている。CNはin vitroでは、ニッケル(Ni)やマンガン(Mn)で活性化することが示されているが、本研究では、バナジウム(オルトバナジン酸、メタバナジン酸、バナジル)がNi刺激したCN活性を二相性に抑制することを見出した。今後は、バナジウムのこの阻害作用について酵素学的な解析を行うと共に、更にCN活性に影響を与える微量元素のスクリーニングを行う予定である。 2.ヒトT細胞様株Jurkat細胞のIL-2発現系を用いた免疫抑制・免疫増強作用を有する微量元素のスクリーニング 1のin vitroで見出した、Ni刺激したCN活性を阻害するバナジウムのJurkat細胞に対するIL-2産生への影響を検討したところ、予想に反して微量ではあるが、IL-2産生を認めた。今後はこの作用機序について更に分子栄養学的に解析を行う予定である。 3.Mnの細胞性免疫に対する影響の分子栄養学的研究 ホルボールエステル存在下において、Mnは、Jurkat細胞のIL-2産生を相乗的に上昇させることを既に示していたが、本分子栄養学的研究により、この理由が転写調節因子NFATではなく、予想に反してAP-1の上昇の結果であることが判明した。今後はMnによるAP-1上昇のメカニズムを検討する予定である。
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Research Products
(2 results)