2008 Fiscal Year Annual Research Report
微量元素の細胞性免疫に対する影響の分子栄養学的研究
Project/Area Number |
19500690
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
田中 進 Takasaki University of Health and Welfare, 健康福祉学部, 教授 (70348142)
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Keywords | カルシニューリン / インターロイキン-2 / ニッケル / マンガン / バナジウム / AP-1 / c-Jun / c-Fos |
Research Abstract |
1.カルシニューリン(CN)活性に影響を与える微量元素のin vitroにおける検討 CNは、T細胞のインターロイキン-2(IL-2)産生を制御し、細胞性免疫に関与する酵素として知られている。in vitroでは、ニッケル(Ni^<2+>)やマンガン(Mn^<2+>)で活性化することが示されているが、本研究では、3種類のバナジウムイオン(VO_4^<3->、VO_3^-、VO^<2+>)がNi^<2+>刺激したCN活性を二相性に抑制することを見出し、その中でVO_4^<3->とVO_3^-は、基質との競合阻害によりCN活性を限害することを明らかとした。また興味深いことにNi^<2+>刺激したCN活性はMn^<2+>の同時添加により抑制されることを見出した。 2.Jurkat細胞のIL-2産生を指標とした、細胞性免疫に影響を与える微量元素のスクリーニング 上記1のCN活性を阻害した3種類のバナジウムイオン(VO_4^<3->、VO_3^-、VO^<2+>)について、Jurkat細胞に対するIL-2産生への影響を検討したところ、いずれもIL-2mRNAの発現とIL-2タンパク質の産生を認めた。また、3種類のバナジウムイオンについてIL-2産生を比較してみると、VO_4^<3->とVO_3^-のIL-2産生は同程度であったが、VO^<2+>はそれらより低いIL-2産生を示した。 3.Mn^<2+>の細胞性免疫に対する影響の分子栄養学的研究 ホルボールエステル存在下において、Mn^<2+>は、Jurkat細胞のIL-2産生を相乗的に上昇させることを既に示し、分子栄養学的研究により、この理由が転写調節因子NFATではなく、AP-1の上昇の結果であることを明らかとしてきたが、更に、ウエスタンブロットにより、c-Jun、c-Fos、P-c-Junが上昇していることが示された。
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Research Products
(2 results)