2008 Fiscal Year Annual Research Report
加齢性聴力損失の栄養学的予防戦略研究-抗酸化物質の役割に着目して-
Project/Area Number |
19500692
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西脇 祐司 Keio University, 医学部, 講師 (40237764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武林 亨 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (30265780)
朝倉 敬子 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40306709)
斉藤 秀行 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10235062)
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Keywords | 予防医学 / 栄養学 / 抗酸化物質 / 加齢性難聴 / 老化 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
65歳以上の地域在住高齢者約850名を対象に8種類の血清抗酸化物質測定と聴力検査を実施し、時間断面解析から血清レチノール濃度およびプロビタミンA濃度が高くなるに従い、加齢性難聴者の割合が低下することを明らかにした。本研究成果は内外の学会にて公表し、英文誌に投稿が受理された。(Michikawa T, Nishiwaki Y, et al. Serum Levels of Retinol and Other Antioxidants for Hearing Impairment among Japanese Older Adults. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. in press) 動物実験においては、レチノール濃度が内耳で高いこと、レチノール投与により騒音曝露したマウスのコルチ器を構成する細胞のapoptosisが抑制されたことなど,我々の研究結果を支持する報告がなされている。しかしながら、これまでに、Population-basedな疫学デザインにより抗酸化物質レベルと加齢性難聴の関連を調査した疫学研究は国内外になく、本研究が初のエビデンスと思われる。我々の対象集団はサプリメント使用者が5%と少なく、これら抗酸化物質のほとんどが食事由来と考えられるため、栄養介入により加齢性難聴を予防できる可能性が示唆される。しかし、時間断面疫学研究という研究デザイン上関連の時間性の証明が困難である。本課題に関する追跡研究が必要である。
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Research Products
(2 results)