2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500704
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
青峰 正裕 Nakamura Gakuen College, 栄養科学部, 教授 (60091261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和 孝子 中村学園大学, 栄養科学部, 助教 (70271434)
西山 敦子 中村学園大学, 栄養科学部, 助手 (90461475)
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Keywords | ストレス / 食欲減退 / 神経伝達物質 / マイクロダイアリシス / ラット / 糖尿病 |
Research Abstract |
糖尿病患者では抑うつの合併頻度が一般人口よりも有意に高く,ストレスに対する抵抗性が低いことが知られている。そして糖尿病患者および糖尿病動物の脳における神経伝達物質の放出量の有意な低下も最近知られるところとなっている。そこで本年度は健常ラットと糖尿病ラットを用いて,ストレス抵抗性が糖尿病に伴う高血糖により低下することを確かめた。一般にストレス負荷により脳内神経伝達物質の放出は増加する。それによりストレス反応に抗するためである。繰り返しのストレス負荷により次第にその放出量は減少していくが,ストレスに対する抵抗性が低下すると,より減少することになる。本研究では糖尿病ラットとしてWBN/Kobラット,健常ラットとしてWistar系ラットを使用する。拘束ストレス(100分間)を自由行動(100分間)を挟んで2回負荷し,脳海馬からのセロトニン(5-HT)の2回目放出量と1回目放出量の比をストレス抵抗性の指標とし,糖尿病ラットと健常ラットで比べた。5-HTはin vivoマイクロダイアリシス法により調べた。ストレス抵抗性の指標は,健常ラットで0.87±0.21(n=4)であったが,糖尿病ラットでは0.35±0.26(n=4)と有意に(p<0.05)低下した。この差が糖尿病による高血糖状態に起因するのではないかと考え,健常ラットにおいて,脳内還流液のグルコース濃度を,0mg/dl,100mg/d1,500mg/dl,1000mg/dlと次第に増加するとグルコース濃度とは逆にストレス抵抗性の指標は低下し,1000mg/dlにおいては0.46±0.26(n=4)と有意に減少した。このことは高血糖状態ではストレス抵抗性の指標が低下することを意味し,糖尿病状態の持続に伴う高血糖がストレスに対する抵抗性を低下させている一因となっていることを示唆している。
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Research Products
(9 results)