2008 Fiscal Year Annual Research Report
機能性食品の組み合わせ摂取による有効性と安全性に関する研究
Project/Area Number |
19500710
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
永田 純一 National Institute of Health and Nutrition, 食品保険機能プログラム, プロジェクトリーダー (70237527)
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Keywords | 食生活 / 健康 / 機能性食品 / 組み合せ |
Research Abstract |
大豆タンパク質(SPI)およびジアシルグリセロール(DAG)は脂質低下作用に関与する代表的な食品成分である。類似の効果を有する機能性成分の併用摂取は、より一層の効果が期待される。今回我々は、SPIとDAGの併用摂取によるマウス血清、肝臓脂質濃度、脂質代謝関連遺伝子発現および体脂肪蓄積への影響を検討した。7週齢雄C57BL/6マウスに重量比20%のSPIおよびエネルギー比30%のDAGを組み合わせた食餌を40日間摂取させた。コントロール群はカゼインとコーン油を組み合わせた食餌を与えた。一夜絶食後、二重エネルギーX線吸収法(DEXA)により体脂肪率を計測し、屠殺後、血液と肝臓を採取した。肝臓より総RNAを抽出し、real-timePCRを用いてDGAT1、DGAT2、FASおよびG6PDH遺伝子の発現量を調べた。血液、肝臓脂質濃度は市販酵素試薬により分析した。食事因子の影響は二元配置分散分析を用いて解析した。その結果、体重および肝臓重量は、全ての群間に有意な差を認めなかった。体脂肪率は、SPIの摂取により有意な低下を観察した。血清コレステロール(Chol)濃度はコーン油を摂取した群で有意に上昇したが、トリグリセリド(TG)濃度はコントロール群と比較して、全ての群で有意な低下を示した。DAGの摂取により、肝臓Chol濃度は有意な上昇を認めたが、TG濃度は有意な低下を示した。DGAT1の発現量は、SPIの摂取により低値を示し、DGAT2はDAGの摂取により発現量の上昇を認めた。FASとG6PDHの発現量は、SPIの摂取により低い傾向を示した。いずれも食餌因子の交互作用は認められなかった。今回の結果より、SPIの摂取は、マウス血中、肝臓脂質濃度、体脂肪率および脂質代謝関連遺伝子発現に対する有効性が観察されたが、DAGとの併用摂取による顕著な相加相乗効果は認められなかった。
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