2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500722
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大澤 弘典 Yamagata University, 大学院・教育実践研究科, 教授 (10343071)
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Keywords | 数学的モデリング |
Research Abstract |
中学校における数学の授業等に対して,知識・技能の習得ばかりでなくその活用の重要性が各方面から指摘されている。それらの社会的な要請に応えるべく,現実世界の問題解決いわゆる数学的モデリングに焦点をあて,「数学的モデリングの授業実践に関する研究」をテーマに研究を推進した。具体的には,中学校教師が数学的モデリングに関わる教材を数学の授業等で実際に使用する際,どのような準備を必要とするか。また,教師自身が事前にどのようなトレーニングを行なっておくのが望ましいのか。それらの問いに答えるべく,日本の内外で試みられている先行研究を収集し,分析・考察した。それらの調査研究をもとに,山形大学附属中学校等で実際に幾つかの授業実践を行なった。その結果,次の(1)~(2)の知見を得た。(1)教師は各モデリング教材の利用に際して,数学的な内容ばかりでなく広域な知識が少なからず求められる。とりわけ,課題解決のためのコンピュータを利用した表計算等の指導力が教師には必要である。(2)既成の数学的モデリング教材の使用に限らず,新たな教材開発を行なうといった教師に対するトレーニングは,指導力向上ばかりでなく教師自身の指導への自信や喜びに少なからず繋がることが確認できた。とりわけ,グループによる教材開発が有効であることが分かった。
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